クレジットカードを使える病院の探し方とお得なカード利用術

急に入院や手術することになってしまったなどの理由で巨額の医療費を負担しなければいけなくなり、それをクレジットカードで支払えないかと悩んでいませんか。

結論から言うと、クレジットカード払いに対応している病院は増えてきています。

しかし、下調べをせずに行った病院がクレジットカード払いに対応していない病院だった場合に、医療費が払えないなんてことになってしまったら大変なことになります。

この記事では大手カード会社に3社勤務した私がその経験を生かして、病院でのクレジットカード利用について以下の流れで紹介します。

  1. クレジットカードの利用できる病院の探し方
  2. 病院のクレジットカード利用でお得にポイントを貯める裏技

この記事を読むことで、あなたの近所のクレジットカード払いに対応している病院の探し方から、高額な医療費がかかってしまった場合にお得にポイントを貯める方法までがわかります。

1. クレジットカードの利用できる病院の探し方

厚生労働省の指導や総務省の推進もあり、病院でも近年クレジットカード払いに対応し始めています。

大学病院などの大きい病院では、約50%が導入していると厚生労働省の調査結果(P40)から分かります

この章では、あなたの近所の病院でクレジットカード払いに対応しているところを探すためにはどうしたら良いのかについて以下の流れで紹介します。

  • クレジットカード払いに対応している病院の見分け方
  • 近所の病院の検索方法

このページを読めば、日本のどこに住んでいても、お近くのクレジットカード決済可能な病院が見つかります。

1-1. クレジットカード払いに対応している病院の見分け方

病院がクレジットカードに対応しているかどうかは病院の規模によりますが、簡単に分けると以下のようになります。

  • 大病院・大学病院:クレジットカード払いに対応している病院が多いです。
  • 中病院・市民病院:クレジットカード払いに対応している病院がそこそこあります。行く前にクレジットカード払いが可能か確認した方が良いです。
  • 小規模病院:クレジットカード払いに対応していない病院が多いです。しかし、産婦人科や自由診療となる美容整形系の診療科に関しては対応していることがほとんどです。

また、基本的にクレジットカード払いのできる場所には入り口のドアなどにVISAなどの国際ブランドマークの表示がされていることが多いのですが、病院に関しては入り口などではわからないことがあります。

間接的にクレジットカード払いができる電子マネーなら対応していることも!

個人で開業している小規模病院では、クレジットカード払いは5,000円以上、自由診療分などの制限があることも多いです。

ですが、Suicaなどの交通系電子マネーやEdy・iDといった電子マネーなら少額でも支払いが可能なケースがほとんどです。

チャージや後払いで間接的にクレジットカード払いができるので、電子マネーの利用がお得になるクレジットカードについて知りたい方は以下の記事を参照してください。

Suicaをお得に使えるクレジットカード3選【2021年版】

PASMOをお得に使えるクレジットカードおすすめ19選|鉄道・バス会社別にわかる

Edyオートチャージの注意点とお得に使うための全ポイント

タクシーをクレジットカードで払う注意点とおすすめカード10選の3-2にiD

1-2. 近所の病院の検索方法

近所でどこの病院がクレジットカードを使えるのかどうかを調べるためには、以下のようにGoogleなどの検索エンジンに入力して検索しましょう。

あなたの住んでる県名 医療機能情報

このワードで検索すると各都道府県ごとにある医療機能情報のページが出てきます。

医療機能情報のページではその都道府県の病院から報告のあった情報をそのまま掲載しており、その情報を検索することができます。

例えば、「東京都 医療機能情報」と検索すると東京の医療機能情報のページ「東京都医療機関案内サービス・ひまわりが出てきます。

東京都医療機関案内サービス ひまわりでは東京都の病院でクレジットカードによる支払いが可能どうかだけでなく、駐車場の有無や目的別に病院を検索できます。

そのためクレジットカードを使うかどうかに関わらず、知っていると非常に便利です。

行く病院が決まっている・分かっている方は、病院名で検索をして病院の公式ページで確認しても良いでしょう。

たまに病院の公式ページがなかったり、支払い方法について記載されていないこともあるため、その場合は電話をかけて直接問い合わせをして確認しましょう。

カード会社の公式ページで確認する方法も

一部のカード会社では、自社のクレジットカードが使える病院の情報を公表しています。

病院の時間外や、わざわざ電話をして確認するのはちょっと……という方はこちらを参考にしてください。

NICOSカード

JCBカード

2. 病院のクレジットカード利用でお得にポイントを貯める裏技

実は病院のクレジットカード決済では、通常のクレジットカード決済では考えられないくらいお得にポイントを貯める方法があります。

基本的に日本の健康保険制度では国民健康保険でも健康保険でも自己負担割合は3割となっているので、そこまで高額な医療費を自己負担しなければいけないケースは珍しいです。

しかし、3割とはいえ、手術や入院の程度によっては高額な医療費が発生することがあります。この章ではそういった高額な医療費が発生した際のお得なポイント獲得方法を以下の流れで紹介します。

  • 高額療養費制度」を利用したクレジットカードのお得なポイントの貯め方
  • 「高額療養費制度」の申し込み方法
  • 高額療養費制度」を利用した際の注意点
  • 出産の際のお得なポイントの貯め方

この章を読むことで、高額な医療費を請求されてしまった際の基礎知識から、それをクレジットカードで支払う際のお得なポイントの貯め方までを紹介します。

2-1. 「高額療養費制度」を利用したクレジットカードのお得なポイントの貯め方

自分では到底払えないような医療費がかかってしまった時に利用できる制度として「高額療養費制度」というものがあります。

「高額療養費制度」とは一月の医療費が一定額(自分か扶養に入ってる方の収入によって変わります)を超えた場合、その超過分の負担は返ってくる制度です。

例えば、月収が26万円以下の方の場合、月に57,600円以上の医療費がかかった場合、それを超えた分の金額は「高額療養費制度」を申請することで後々返ってきます。

極端な話を言えば、月に100万円の医療費がかかった場合、まず100万円分の支払いのために還元率1.0%のクレジットカードを利用すると1万ポイントが還元されます。

その後、「高額療養費制度」を申請することで57,600円を超過した医療費942,400円が返ってきます。本来、57,600円の利用であれば、576ポイントしかもらえないので非常にお得です。

自己負担額の算出方法

先ほど、月収に応じて医療費の自己負担額が変わると述べましたが、その自己負担額の算出方法は以下の通りです。

標準報酬月額とはあなたの「月収+交通費」です。配偶者の扶養に入ってる方は配偶者の「月収+交通費」です。

標準報酬月額自己負担限度額
83万円以上の方252,600円+(総医療費-842,000円)×1%
53万~79万円の方167,400円+(総医療費-558,000円)×1%
28万~50万円の方80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
26万円以下の方57,600円
Ⅱ 住民税非課税世帯24,600円
Ⅰ 住民税非課税世帯

(年金収入80万円以下など)

15,000円

例えば、標準報酬月額が35万円の方の場合、自己負担限度額が80,100円+(総医療費-267,000円)×1%が適用されます。

総医療費が100万円かかった場合、80,100円+(1,000,000円-267,000円)×1%なので87,430円が自己負担限度額となり、それ以上の金額は返ってきます。

2-2. 「高額療養費制度」の申し込み方法

「高額療養費制度」は申請しなければ、自己負担限度額を超えた医療費は支払われません。

そのため、「高額療養費制度」を利用するならば絶対忘れずに申請しましょう。

申請方法は以下の2点を協会けんぽの都道府県支部に提出します。

  1. 高額療養費支給申請書
  2. 領収書のコピー

「高額療養費支給申請書」は健康保険証の「保険者名称」に記載されている協会けんぽのホームページからダウンロードするか、電話をして郵送してもらいましょう。

そして、この協会けんぽに申請書を郵送で送るか持参することで申請が完了します。

2-3. 「高額療養費制度」を利用する際の注意点

「高額療養費制度」を利用し、クレジットカード決済をする際の注意点として以下の2つがあります。

  • クレジットカードの限度額に注意
  • 「高額療養費制度」の支払いは約3ヶ月後

クレジットカードの限度額に注意

「高額療養費制度」を利用する場合、高額な医療費をクレジットカードで支払うことになる場合が多いです。

そのため、気をつけなければ限度額を超えてしまうこともあり得ます。

もし限度額を超えそうな時はカード会社によっては一時的に限度額を上げてくれる場合もあるので使っているカード会社に問い合わせましょう。

「高額療養費制度」の支払いは約3ヶ月後

「高額療養費制度」を利用する際、一時的に医療費を立て替える必要があります。そして「高額療養費制度」が支払われるまでには3ヶ月ほど時間がかかります。

3ヶ月の間、立て替えるのが厳しいという方は「限度額適用認定証」を利用しましょう。

限度額適用認定証」とは、本来の「高額療養費制度」は事後の還付になるところを事前に認定証を取得することで、病院窓口での支払いを自己負担限度額までにすることができるというものです。

簡単に言うと、医療費を立て替えるか立て替えないかの違いですが、3ヶ月間ほど立て替えることができるのであれば、クレジットカードのポイント還元もかなりお得なので「限度額適用認定証」は使わないことをおすすめします。

2-4. 出産の際のお得なポイントの貯め方

出産に係る費用は医療費ではありません。そのため、高額療養費制度の対象外です。ただし、出産・分娩・入院費に相当する部分として出産育児一時金を42万円(産科医療補償制度に加入されていない医療機関等で出産された場合は40.4万円)がもらえます。

しかし、この出産育児一時金も後払いなので、「高額療養費制度」と同じように立て替えるのが難しい場合には直接払い制度といって病院に直接費用が支払われる制度があります。

この直接払い制度もなるべく使わない方がお得です。なぜなら42万円をポイント還元率1.0%のカードで支払うと4,200ポイントにもなるので非常にお得だからです。

3.まとめ

クレジットカードの利用できる病院の探し方とお得にポイントを貯める方法をご紹介しました。

病院がクレジットカードに対応しているかどうかは簡単に分けると以下のようになります。

  • 大病院・大学病院:クレジットカード払いに対応している病院が多いです。
  • 中病院・市民病院:クレジットカード払いに対応している病院がそこそこあります。行く前にクレジットカード払いが可能か確認した方が良いです。
  • 小規模病院:クレジットカード払いに対応していない病院が多いです。しかし、産婦人科や自由診療となる美容整形系の診療科に関しては対応していることがほとんどです。

また、近所でどこの病院がクレジットカードを使えるのかどうかを調べるためには、以下のようにGoogleなどの検索エンジンに入力して検索しましょう。

あなたの住んでる県名 医療機能情報

このワードで検索すると各都道府県ごとにある医療機能情報のページが出てきます。医療機能情報のページのページではその都道府県の病院から報告のあった情報をそのまま掲載しており、その情報を検索することができます。

または、行く病院が決まっている・分かっている方は、病院名で検索をして病院の公式ページや電話で問い合わせをして確認しても良いでしょう。

病院の時間外や、わざわざ電話をして確認するのはちょっと……という方はカード会社の公式ページで確認を参考にしてください。

NICOSカード

JCBカード

あなたが病院でクレジットカードを使って現金よりもお得に支払えることを祈っています。

【参考情報】クレジットカードを使える薬局について知りたい方は「クレジットカードを使える薬局の探し方とお得なカード利用術」の記事を参照してください。