ソーシャルレンディング(貸付型・融資型クラウドファンティング)に興味を持ち、業者比較をしていく中でアメリカンファンディングが気になったけど、“実際のところアメリカンファンディングは信頼できるの?”と疑問に思っていませんか?
結論としては、「アメリカンファンディングは、米国不動産投資案件に特化した利回りの高い全件不動産担保付き商品を扱う一定の支持がある業者と言えますが、他の業者と比較して物足りなさを感じる項目も多く、検討している方はニーズに合っているかどうかの見極めが肝心」と言えます。
このページでは、元大手金融投資顧問会社のアセットマネジャーとして、様々なファンドを運営してきた筆者が、今最も注目されているソーシャルレンディングにおける「アメリカンファンディングの総評」について、ソーシャルレンディング業者21社の比較評価をもとに、以下の流れに沿ってわかりやすく解説します。
- アメリカンファンディングの総評|全21社の比較評価
- アメリカンファンディングの特徴とメリット・デメリット
- アメリカンファンディングをおすすめする人とおすすめしない人
- アメリカンファンディングの口座開設で注意すべき9のポイント
すべて読めば、アメリカンファンディングが自分に向いているかどうかがわかり、口座開設から運用までの一連の流れを理解した上で最良の決断ができるようになるでしょう。
0. アメリカンファンディングとは|米国不動産案件に特化した業者
まずは、ソーシャルレンディング(貸付型・融資型クラウドファンディング)業界における、全21社を「最大利回り」と「企業の信頼性」で比較した場合の『アメリカンファンディング』のポジションを押さえておきましょう。
上記のとおり、アメリカンファンディングは最大利回りは優れていますが、信頼性に関して言えば、2年以上の安定運用実績以外に企業信頼性を証明する術がないベンチャー企業です。
その為、多少リスクを取っても高利回りな投資がしたい人にはおすすめの業者と言えます。
以下、具体的にご紹介していきます。
ソーシャルレンディングサービス運営には、金融庁への第二種金融商品取引業者登録及び、各都道府県への貸金業者登録を行う必要がありますが、ファンド募集に必要な第二種金融商品取引業者登録を受けていないアメリカンファンディングでは、「maneoマーケット」と業務提携し「maneoマーケット」がファンドの募集取扱(取得勧誘)等を実施する事で、適法な運営形態を取っています。
1. アメリカンファンディングの総評|全21社の比較評価
項目 | 評価 | 理由 ※2018年1月時点情報 |
信頼性 | ★★★3 | 2015年7月創立。2年以上の安定運用実績のみ。 |
人気度 | ★★★★4 | 成立ローン総額10億549万円。(※口座開設数 1,785人) |
年利回り | ★★★★★5 | 5~10% と業界最高水準。 |
担保保証 | ★★★★★5 | 全件不動産担保付き。 |
デフォルト件数 | ★★★★★5 | なし。 |
最低投資額 | ★★★★4 | 2万円から可能。 |
投資期間 | ★★★3 | 4ヶ月~13ヶ月と短期から中期までカバー。 |
手数料 | ★★★★4 | 口座管理手数料:無し 入金手数料:全業者有り 出金手数料:有り その他手数料:無し |
特徴 | 米国不動産案件に特化した商品を扱う業者。 |
<総評>
『アメリカンファンディング』は米国不動産案件に特化した商品を扱うことで、「年利回り」「担保保証」「デフォルト件数」の3項目が優れています。
一方で、「信頼性」「人気度」「最低投資額」「投資期間」「手数料」の項目については業界最高水準と比べて今ひとつ物足りなさがあり、「信頼性」に関しては、社歴が浅く、公開情報も少ない事から現時点では未知数と言えます。
※投資のプロが教えるソーシャルレンディング業者を選ぶ際のリスクと注意点
ソーシャルレンディング業者を比較する際には上記の様に様々なポイントがありますが、その中で最も重要視すべきは下記の3点です。
1. 必ず担保保証付き(保証会社付き)の案件を選ぶ
ソーシャルレンディングの商品は全てリスク商品である為、最悪、貸し倒れの可能性があり、その場合は投資家が損失を被ることになります。必ず担保保証付き(保証会社付き)の商品の中から投資先を選定しましょう。
2. 「信頼性」の高い業者を選ぶ
国内業者の多くは、公開情報が少ないベンチャー企業です。倒産などの企業リスクも比較的大きい業界である事を理解して「信頼性」の高い業者を選びましょう。
3. 商品の内容比較の前に業者の信頼度から投資判断をする
上記の理由から、商品の内容だけで投資判断をするのは絶対にやめましょう!個別案件(商品)は数日間の短期募集が多い事から口座開設後では既に入れ替わっている可能性も高く、また、投資先の詳細を確認することはできない為、業者の審査能力が大変重要です。まずは運営業者の概要や特徴についてきちんと理解した上で、自分なりに信用できると判断した業者の運営する個別案件の中でニーズに合ったものを厳選して投資するようにしましょう。
※募集期間が非常に短い案件が多いため、気になる業者の口座は予め開設しておいた方が良い。
ソーシャルレンディングの個別案件の投資募集期限は数日間と非常に短いものが多いです。 また、募集期限前でも募集額満額に達した時点で締め切られるため人気案件はすぐに募集終了してしまいます。 良い条件の案件を見つけてから口座開設していては間に合わないケースもあるため、 気になる業者の口座は予め開設しておくのがおすすめです。− 『アメリカンファンディング』の口座開設用公式ページはこちら −
2. アメリカンファンディングの特徴とメリット・デメリット
アメリカンファンディングの特徴とメリットデメリットについて解説していきます。
2-1.アメリカンファンディングの特徴
アメリカンファンディングには他のソーシャルレンディング業者と比較して以下のような2つの特徴があります。
- 米国不動産案件に特化している
- 全件不動産担保付きで高利回りな商品が多い
特徴①|米国不動産案件に特化している
アメリカンファンディングでは、人口がおよそ日本の2.5倍と言われるアメリカで、特に不動産分野の成長率が高いテキサス州やカリフォルニア州を中心とした不動産案件を扱っています。
不動産投資に注目が集まっているアメリカでの今後の成長を見込んだソーシャルレンディングサービスとして、米国不動産案件に特化している点が大きな特徴です。
また、ソーシャルレンディングにおける「貸倒れリスク」を考慮し、「不動産市場価格の調査」「担保不動産の市場価格の査定」を行い、不動産を担保とした有担保債権の貸付商品のみを扱っています。
特徴②|全件不動産担保付きで高利回りな商品が多い
上図の通り、アメリカンファンディングでは全件不動産担保付きの商品であり、最近募集した案件の年利回りは8〜10%と業界最高水準となっています。
不動産を担保に取っている事で、仮に貸し倒れが起きたとしても、担保を売却する事で、回収可能性を高く保つ事が出来ます。
また、ひとつのローンファンドから複数(2件以上)の借り手に貸付を行うことで投資対象を分散し、リスクを分散させています。
2-2. アメリカンファンディングのメリット
アメリカンファンディングのメリットは大きく以下の3つです。
- 高利回りな商品が多い
- 全件不動産担保付き商品
- デフォルト件数0件
投資家にとって非常に大切な「年利回り」が高く、全件不動産担保付き商品である点がアメリカンファンディングの最大のメリットと言えます。
2-3. アメリカンファンディングのデメリット
反対に、アメリカンファンディングのデメリットは大きく以下の5つが挙げられます。
- 企業信頼性が絶対的とはいえない
- 業界最良の業者と比較した際に実績が見劣りする
- 最低投資額が2万円から(業界最安は1万円から)
- 長期投資案件がない
- 出入金時の振込手数料が投資家負担
アメリカンファンディングは高利回りな商品を扱う業者ではありますが、現段階では、未上場な上に大手企業からの後ろ盾もない為、2年以上の安定運用実績以外に企業信頼性を証明する術がないという点はデメリットです。
また、実績においては、業界最大手の業者と比較した際には当然ながら見劣りする点ではあります。
しかしながら、創立からまだ2年程度であるため、今後の成長には期待できます。
3.アメリカンファンディングをおすすめする人とおすすめしない人
前述のとおり、すべての項目が満点のソーシャルレンディング業者は存在しませんので、自身のニーズやレベルに合わせた使い分けが肝心です。
これまでの評価を踏まえて、「アメリカンファンディングをおすすめする人としない人」について以下にまとめております。
3-1. アメリカンファンディングをおすすめする人
特に以下の2つのタイプの人にはアメリカンファンディングをおすすめします。
- 多少リスク取っても高利回りな投資がしたい人
- 担保付きの商品の中から選んで投資したい人
アメリカンファンディングは、高利回りで全件不動産担保付きの商品を扱う業者として、今後ますますの成長を期待される注目の業者といえます。
「多少リスクを取っても高利回り運用がしたい人」にとってはニーズに合った一社と言えるでしょう。
3-2. アメリカンファンディングをおすすめしない人
逆に以下の5つのタイプの人にはアメリカンファンディングはおすすめしません。
- 企業信頼性を最も重視する人
- 実績や人気のある業者で運用がしたい人
- 1万円の少額から投資を始めたい人
- 短期から長期まで様々な投資期間の中から選んで投資したい人
- 口座手数料及び出金手数料、その他手数料が無料の業者を探している人
これらのようなニーズを持って業者を探している人にとってはアメリカンファンディングは多少物足りないと感じる点がある為、おすすめしません。
私の知るところでは、上記のようなニーズを一社で全て満たす業者はほぼありませんので、ニーズ毎に複数の業者を使い分ける必要があります。その際にアメリカンファンディングを使うのであれば、「利回り重視のセカンド口座」として使うとよいでしょう。
4. アメリカンファンディングの口座開設で注意すべき9のポイント
アメリカンファンディングに於ける「口座開設〜投資〜解約」までの流れは以下のとおりです。
上図のような一連の流れの中では大きく分けて以下のような注意点があります。
- 「申込み」に関する5つの注意点
- 「投資開始」に関する2つの注意点
- 「解約」に関する2つの注意点
4-1. 「申込み」に関する5つの注意点
アメリカンファンディングの口座開設申込みの際に注意すべき点は以下の5つです。
- マイナンバー登録が必要
- Eメールアドレスが必要(携帯メールOK)
- 複数口座開設不可
- 開設可能なのは本人名義のみ
- 申し込み可能な人の条件がある
ほとんどの人にとっては、大きな問題となるような項目はありませんが、申込み可能な人の条件の中に「申請段階で20歳以上、75歳未満の方」「日本在住で在留資格を有している方」「maneoマーケット株式会社の審査に通った方」という条件がありますので、注意が必要です。※75歳以上は個別に対応。
「申込可能な人の条件」の詳細については下記URLを御確認下さい。
「アメリカンファンディング 公式ページ」(https://www.americanfunding.jp/help/Index)
4-2. 「投資開始」に関する2つの注意点
アメリカンファンディングの口座で投資する際に注意すべき点は以下の2つです。
- 投資口座への振込・払い戻しには手数料が掛かる
- 年間の収益が20万円を超えると確定申告が必要
投資開始には、デポジット口座へ資金の入金が必要です。また、アメリカンファンディングの手数料については下記の通り、出入金時の振込手数料についてのみ、投資家負担となります。
(https://www.cf-finance.jp/help/)
また、投資家が受け取る分配金は雑所得に該当し20万円以上の場合は、確定申告をする必要があります。(雑所得は他の所得と損益通算はできません。)
アメリカンファンディングが投資家に支払う金額は、分配金から源泉徴収税を控除した金額(投資家の支払うべき所得税の前払い)となります。アメリカンファンディングが納付した源泉徴収税額は、確定申告により計算した所得税から控除することができます。確定申告義務が無い方でも、確定申告をすることで還付を受けられる場合もあります。
4-3. 「解約」に関する2つの注意点
アメリカンファンディング口座の「解約」に関する注意点は以下の2つです。
- 海外へ移住する場合もしくは75歳になると口座解約が必要
- 満期になるまで投資の途中解約は不可
前述の通り、アメリカンファンディングの口座開設できる人の条件の中には「日本在住で在留資格を有している満20歳以上75歳未満の方」という条件があり、条件を満たさなくなった時点で原則解約対象となります。
ほとんどの業者に共通して言える事ですが、一旦投資を開始すると、満期まで途中解約が出来ません。口座解約は「口座残高が0円になっている状態で電話(03-3580-2184)かメール(support_americanfunding@maneo-market.jp)にて問い合わせ」で行う事ができます。
5. まとめ
いかがでしたでしょうか。
アメリカンファンディングに対する疑問が解消できたのではないでしょうか。
現在日本には数多くのソーシャルレンディング業者が存在しており、ニーズ次第で自分に合う合わないの判断は変わりますが、アメリカンファンディングは、特に多少リスクを取っても高利回りな投資がしたい人にとってメリットの多い業者であることは間違いありません。
きちんと自分に合う業者を選び、ソーシャルレンディングで後悔しない最先端の投資を行いましょう!
※募集期間が非常に短い案件が多いため、気になる業者の口座は予め開設しておいた方が良い。
ソーシャルレンディングの個別案件の投資募集期限は数日間と非常に短いものが多いです。 また、募集期限前でも募集額満額に達した時点で締め切られるため人気案件はすぐに募集終了してしまいます。 良い条件の案件を見つけてから口座開設していては間に合わないケースもあるため、 気になる業者の口座は予め開設しておくのがおすすめです。− 『アメリカンファンディング』の口座開設用公式ページはこちら −