ソーシャルレンディング(貸付型・融資型クラウドファンティング)に興味を持ち、業者比較をしていく中でアクシュが気になったけど、“実際のところアクシュは信頼できるの?”と疑問に思っていませんか?
結論としては、「アクシュはソーシャルレンディングにおいて業界No2.の社歴を持つ古株ですが、現在新規の募集活動が休止状態であり、過去に返済の長期遅延や数回の貸し倒れが発生したという評判から、検討している方へはニーズにあった他の業者がおすすめ」と言えます。
このページでは、元大手金融投資顧問会社のアセットマネジャーとして、様々なファンドを運営してきた筆者が、今最も注目されているソーシャルレンディングにおける「アクシュの総評」について、ソーシャルレンディング業者21社の比較評価をもとに、以下の流れに沿ってわかりやすく解説します。
すべて読めば、アクシュの客観的総評と自分に向いているかどうかがわかり、最良の決断ができるようになるでしょう。
0. アクシュとは|過去に数回の貸し倒れを発生させたと評判の業者
まずは、ソーシャルレンディング(貸付型・融資型クラウドファンディング)業界における、全21社を「最大利回り」と「企業の信頼性」で比較した場合の『アクシュ』のポジションを押さえておきましょう。
上記の通り、アクシュは最大利回りは高いものの、過去に長期に及ぶ返済遅延、数回の貸し倒れなどの評判から、信頼性においては高いとは言えない状況です。
また現在は新規の募集活動が休止状態であり、投資を始めたい人にはニーズにあった他の業者がおすすめです。
以下、具体的にご紹介していきます。
ソーシャルレンディングサービス運営には、金融庁への第二種金融商品取引業者登録及び、各都道府県への貸金業者登録を行う必要があります。※アクシュについては、いずれの登録もなされている為その点は問題ありません。
1. アクシュの総評|全21社の比較評価
項目 | 評価 | 理由 ※2017年10月時点情報 |
信頼性 | ★1 | 2009年12月創立。過去数回の貸し倒れ。 |
人気度 | ★★2 | 成立ファンド総額及び口座開設数非公開。 |
年利回り | ★★★★★5 | 4 〜15%と高利回り商品あり。 |
担保保証 | ★★★★4 | 担保付き商品あり。 |
デフォルト件数 | ★1 | 過去数回に渡る貸し倒れ。 |
最低投資額 | ★★★3 | 5万円から可能。 |
投資期間 | ★★2 | 36ヶ月の長期投資のみ。 |
手数料 | ★★★3 | 口座管理手数料:有り※前日の貸付残高の0.125% 入金手数料:全業者有り 出金手数料:有り その他手数料:無し |
特徴 | 長期間の遅延、数回の貸し倒れが発生したと評判の業者。 |
<総評>
『アクシュ』は過去に数回の貸し倒れを発生させており、それに至るまでには2年以上の返済遅延があったという評判があります。
現在は出資可能な商品がなく、休業状態です。ソーシャルレンディング業者を探しているのであれば、ニーズに合った他の業者をおすすめします。
※投資のプロが教えるソーシャルレンディング業者を選ぶ際のリスクと注意点
ソーシャルレンディング業者を比較する際には上記の様に様々なポイントがありますが、その中で最も重要視すべきは下記の3点です。
1. 必ず担保保証付き(保証会社付き)の案件を選ぶ
ソーシャルレンディングの商品は全てリスク商品である為、最悪、貸し倒れの可能性があり、その場合は投資家が損失を被ることになります。必ず担保保証付き(保証会社付き)の商品の中から投資先を選定しましょう。
2. 「信頼性」の高い業者を選ぶ
国内業者の多くは、公開情報が少ないベンチャー企業です。倒産などの企業リスクも比較的大きい業界である事を理解して「信頼性」の高い業者を選びましょう。
3. 商品の内容比較の前に業者の信頼度から投資判断をする
上記の理由から、商品の内容だけで投資判断をするのは絶対にやめましょう!個別案件(商品)は数日間の短期募集が多い事から口座開設後では既に入れ替わっている可能性も高く、また、投資先の詳細を確認することはできない為、業者の審査能力が大変重要です。まずは運営業者の概要や特徴についてきちんと理解した上で、自分なりに信用できると判断した業者の運営する個別案件の中でニーズに合ったものを厳選して投資するようにしましょう。
2. アクシュをおすすめしない2つの理由
アクシュは、過去に2年間の返済遅延を起こした後、数回の貸し倒れを発生させたという評判があります。そのような評判と現在活動休止状態の事実からアクシュをおすすめできない理由を以下にまとめました。
- 長期遅延・貸し倒れが発生したという評判がある
- 活動休止状態で積極的に営業していない
理由1.長期遅延・貸し倒れが発生したという評判がある
アクシュは過去に長期間の返済遅延と貸し倒れを起こしたという評判が多く寄せられています。
残念ながら、アクシュの公式HPでは公開情報が少なく、事実確認が出来ませんでしたが、多くの口コミや投資家自身のブログによって返済遅延・貸し倒れがあった事実について公表されている為、ほぼ間違いなく、返済遅延・貸し倒れは発生したと言えるでしょう。
参考までにネット上の口コミは以下です。
たびたび返済の滞りが発生し、2013年までに計4回ほど、貸し倒れが実際に発生しております。2年以上にわたりaqushは返済の延滞と発表しておりましたが、延滞開始から2年後にとうとう貸し倒れと処理したようです。
貸し倒れが発生した中の一つが次のようなファンドです。
- 36ヶ月の元利均等返済、年利10%、2013年1月貸出
- 36ヶ月の元利均等返済、年利10%、2011年2月貸出
いずれも運用期間が長く、金利も高いのが特徴です。
2015年5月から返済遅延が続いていた4ファンドについて、今月も元本・金利の返済はありませんでした。
返済遅延が続いているのは以下の4つのファンドです。
AA-36-10.00-20121101 (2012年11月組成)
A-36-9.00-20121101 (2012年11月組成)
B-36-9.00-20121101 (2012年11月組成)
C-36-10.00-20121101 (2012年11月組成)(出典:http://kennygorou931.blog84.fc2.com/blog-entry-715.html)
<返済状況について> 2013年9月以来、2回目の貸し倒れの被害を被りました。
上記から、度重なる返済遅延の末、貸し倒れも起きている事がわかります。
2011年頃まではソーシャルレンディング業者は数える程しかなく、今ほど業者選択の余地がなかった事も原因の一つかもしれません。
アクシュ以外にも、過去に貸し倒れを発生させた業者はありますが、それらは「個人向けローンファンド」に限った事実であり、現在ではほぼ全ての業者が「企業向けローンファンド」の取り扱いしか行っておらず、「企業向けローンファンド」での貸し倒れ率は0%です。
貸し倒れを起こしたアクシュの案件が、「個人向けローンファンド」であったのか「企業向けローンファンド」であったのかは残念ながら確認出来ませんでした。
しかしながら、過去に何度も貸し倒れを起こした業者はアクシュだけであり、あえてアクシュに投資する理由も見当たりません。
理由2.活動休止状態で積極的に営業していない
アクシュの主要ファンドは大きく以下の4つで構成されています。
- 保証ローンファンド(現在募集なし)
- グローバルファンド(2015年3月31日より取り扱い中止)
- ecoエネルギーファンド(現在募集なし)
- AQUSHマーケット(現在募集なし)
しかしながら現在では融資可能な案件の募集がなく、「グローバルファンド」においては完全に取り扱いを中止しています。
アクシュが今後、募集開始する事を期待するよりも「企業信頼性」を重視した別の業者で投資判断をする事をおすすめします。
3. おすすめのソーシャルレンディング業者5選
前述の通り、ソーシャルレンディングにおける業者選びは「企業信頼性」が最も重要な項目の一つです。
現在、日本には多くのソーシャルレンディング業者が存在しており、業者比較するポイントもサイトによって様々であり、結局どれがよいのかがわからないという声が非常に多いのが現状です。
実際、どのポイントで比較するか次第で良い業者は変わってきますが、ここでは最も重要な下記のポイントにフォーカスしてご紹介します。
ソーシャルレンディング業者選びで後悔しない為に重視すべきポイントは以下の2つです。
- 「信頼性」の高い業者を選ぶ
- 担保保証付き(保証会社付き)の商品を選ぶ
アクシュにおいては公開情報が少なく、遅延やデフォルトが発生した案件に担保保証がついていたの否かを今となっては確認する術はありませんが、少なくともデフォルトリスクをできる限り回避するためには必須のポイントと言えるため、上記2つのポイントを満たす業者をご紹介します。
業者のサービス内容は随時変更されていくため、あくまで2017年9月時点での情報ですが、上記2点を満たす業者としては以下の5社がおすすめです。
- 『maneo(マネオ)』|複数の大企業から出資を受けている業界最大手
- 『オーナーズブック』|不動産案件メインで全商品不動産担保付きの業者
- 『LCレンディング』|保証内容が非常に手厚い商品が多い人気業者
- 『クラウドクレジット』|伊藤忠商事が出資する社会貢献性が高い商品を扱う業者
- 『SBIソーシャルレンディング』| SBIグループに属す手堅い業者
※募集期間が非常に短い案件が多いため、気になる業者の口座は予め開設しておいた方が良い。
ソーシャルレンディングの個別案件の投資募集期限は数日間と非常に短いものが多いです。 また、募集期限前でも募集額満額に達した時点で締め切られるため人気案件はすぐに募集終了してしまいます。 良い条件の案件を見つけてから口座開設していては間に合わないケースもあるため、 気になる業者の口座は予め開設しておくのがおすすめです。
3-1. maneo(マネオ)|複数の大企業から出資を受けている業界最大手
『maneo(マネオ)』は2007年に日本で初めてソーシャルレンディングサービスを始めた業界のパイオニア的存在で、GMOクリックホールディングスやSMBCベンチャーキャピタル等、大手企業からの資本を集める事実から信頼性が高く、国内シェア率NO1.の人気業者です。
初めて開設する口座やメイン口座として最もおすすめです。
3-2. オーナーズブック|不動産案件メインで全商品不動産担保付きの業者
『オーナーズブック』はカカクコム株式会社等大手企業から出資を集める信頼性の高い業者で、不動産のプロによる厳選された全件不動産担保付きの商品を扱う人気業者です。
「maneo」同様、投資家から多くの人気を集めるオーナーズブックは、「商品安全性」「年利回り」共に一歩抜けており、初心者から中上級者まで幅広くおすすめできます。
3-3. LCレンディング|保証内容が非常に手厚い商品が多い人気業者
『LCレンディング』はジャスダックに上場するLCホールディングス株式会社の100%子会社である事から信頼性が高く、不動産に特化した商品を扱う人気業者です。
LCホールディングスの保証が付いた非常におすすめな手堅い商品も扱っており、初心者にも上級者にもおすすめの業者です。
3-4. クラウドクレジット|伊藤忠商事が出資する社会貢献性が高い商品を扱う業者
『クラウドクレジット』は伊藤忠商事株式会社等大手企業から出資を集める信頼性の高い業者で、海外向けに特化した高利回りな商品を扱う人気業者です。
ペルーやカメルーンといった資金不足の新興国への融資を中心に、彼らの自立と貧困からの脱出を担うといった社会的意義が大きい投資ができる他の業者にはない特徴があります。
残念ながら担保保証はありませんが、グループ会社や世界レベルの大手金融機関の出資を受けている提携会社に限定して融資を行うことでリスクを低減しています。
投資経験が豊富で、資金的に余裕がある人におすすめの業者です。
3-5. SBIソーシャルレンディング|SBIグループに属す手堅い業者
『SBIソーシャルレンディング』は大手金融会社SBIグループで信頼性が高く、全件担保付きの安全性が高い商品を扱う人気業者です。
不定期でキャッシュバック等の嬉しいキャンペーンを開催する事もある為、開催中のキャンペーンは可能な限り活用する事をおすすめします。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
アクシュに対する疑問が解消できたのではないでしょうか。
現在日本には数多くのソーシャルレンディング業者が存在しており、ニーズ次第で自分に合う合わないの判断は変わりますが、
アクシュは、ソーシャルレンディング業界において社歴ではNo2.の古株ですが、過去に4度に渡る貸し倒れを発生させた事も事実です。
きちんと自分に合う業者を選び、ソーシャルレンディングで後悔しない最先端の投資を行いましょう!
<重要項目を満たすおすすめ口座5選>
- 『maneo(マネオ)』|複数の大企業から出資を受けている業界最大手
- 『オーナーズブック』|不動産案件メインで全商品不動産担保付きの業者
- 『LCレンディング』|保証内容が非常に手厚い商品が多い人気業者
- 『クラウドクレジット』|伊藤忠商事が出資する社会貢献性が高い商品を扱う業者
- 『SBIソーシャルレンディング』|SBIグループに属す手堅い業者