デビットカードを作ろうか悩んでいるけど、デメリットがいまいち分からず作るか悩んでいますね。
デビットカードは持つことのメリットが多く、海外では急速に普及し始めていますが、その反面気をつけなければ、口座に預けている金額を全て失ってしまうリスクがあるなどのデメリットも多くあります。
そこでこの記事では大手金融会社3社で勤務した経験がある私がデビットカードのメリットとデメリットについて以下の流れで紹介していきます。
この記事を読むことでデビットカードのメリットとデメリット、クレジットカードとの違い、作る際の注意事項などデビットカードに関する全てがわかります。
1. デビットカードの6つのデメリット
デビットカードにはクレジットカードと比較した際に気をつけなければならないデメリットが以下のように6つあります。
- 分割払いやリボ払いなどができない
- 国際ブランド搭載でも利用できない場合がある
- 盗難や紛失時の不正利用に対する補償額の上限が低い
- クレジットヒストリーが作れない
- ポイント還元率はクレジットカードより低くなりやすい
- 時間帯によっては利用できないデビットカードもある
上記のようにデメリットはありますが、それでもデビットカードを持ちたくなるような次章にてデビットカードのメリットについて紹介していきます。
デビットカードを作ろうと考えている方は十分に理解してから作るようにしましょう。
1-1. 分割払いやリボ払いなどができない
デビットカードは即時決済が原則なので当然ですが、クレジットカードのように分割払いやリボ払いに対応していません。
1-2. 国際ブランド搭載でも利用できない場合がある
デビットカードはVISAなどの国際ブランドを搭載していれば契約店であれば決済可能ですが、仕組み上主に下記の5つの場合では利用できない事が多いです。
- 高速道路料金
- 飛行機の機内販売
- ガソリンスタンド
- 紙伝票での決済
- 月々の支払い
また、ETCカードの発行もできません(北國銀行発行のデビットカードを除く)
1-3. 盗難や紛失時の不正利用に対する補償額の上限が低い
先ほどデビットカードのメリットとして不正利用に対する補償をあげましたが、クレジットカードと違って、この補償額の上限は低めです。
例えば、みずほ銀行のJCBデビットでは年間100万円が不正利用に対しての保証の上限です。
口座にそれ以上のお金が入っていて、不正に利用されても保証の対象にはなりません。
1-4. クレジットヒストリーが作れない
クレジットヒストリーとは過去にあなたが利用したクレジットカードやローンの返済履歴のことで、専門の信用機関に記録されています。
このクレジットヒストリーが良好だとランクの高いカードを作りやすくなったり、条件の良いローンを組みやすくなります。
しかし、デビットカードをいくら利用してもこのクレジットヒストリーを築くことができないので、人によっては困ることになります。
1-5. ポイント還元率はクレジットカードより低くなりやすい
次の章でデビットカードのメリットについて改めて説明しますが、ポイント還元率はクレジットカードと比較すると低い傾向にあります。
これはデビットカードはクレジットカードと違って分割払いやリボの金利がなく、その他手数料収入も得られにくいので、発行している銀行も顧客に還元しにくいからです。
基本的にデビットカードは銀行の顧客囲い込みのために作られています。
1-6. 時間帯によっては利用できないデビットカードもある
基本的にクレジットカードは24時間利用可能ですが、デビットカードは時間帯によっては利用できなくなるカードもあります(主にジェイデビットカードが当てはまります)
デビットカードでもネット銀行系のカードであれば基本的に24時間利用可能ですが、それ以外の銀行では時間帯によって利用できない場合があるのでカードを作る際は注意しましょう。
基本的にクレジットカードであれば上記デメリットはほぼカバーできます。
デメリットを読んでクレジットカードが欲しくなった方は「9千枚から10通りにプロが厳選|おすすめクレジットカード29選」におすすめのクレジットカードをまとめたので参考にしてください。
2. それでもデビットカードを持つべき8つの理由
最近では現金やクレジットカードに加え、もう一つの支払い方法としてデビットカードが注目を集めています。
特に海外ではクレジットカードの普及率よりもデビットカードの方が普及率の方が高いくらいです。
デビットカードが人気な理由としては以下のように多くのメリットがあるからです。
- 審査が無い
- 使いすぎる恐れがない
- ポイントなどの還元があり、現金払いよりお得
- 現金を引き出したり持ち歩く必要がなくなるので便利
- 15歳から持てる
- ショッピング保険付きで、不正利用も補償される
- 一部ハイランクカードの特典も利用できる
- 海外のATMにて現地通貨を引き出せる
上記のように非常に多くのメリットがあります。この章ではデビットカードのメリットに関してさらに詳しく紹介します。
2-1. 審査が無い
デビットカードには原則審査がありません(立替機能があるイオン・スルガなど一部の銀行では審査があります)
そのため、通常ではクレジットカードの審査に通らないような方や審査が不安な方でもデビットカードならば作ることができます。
これはデビットカードがクレジットカードのように事後決済ではないので、お金を一時的に借りるような状態にならないからです。
2-2. 使いすぎる恐れがない
デビットカードの上限額は銀行口座の残高です。また、キャッシング機能もありません。
そのため、クレジットカードのように借金をすることなくカードを利用できます。
また、無料アプリを銀行口座と連動させることで口座管理もできるので使いすぎることも防げます。以下におすすめのアプリを1つ紹介しておきます。
参考:「クラウド家計簿」
「クラウド家計簿」は銀行口座と連動することで今までつけるのが面倒だった家計簿が、デビットカードを利用するたびに自動で記帳されて仕上がります。
「クラウド家計簿」のアプリとしておすすめなのはマネーフォワードです。
出典:マネーフォワード
家計簿カレンダー機能で銀行の入出金やカード履歴を取得し、カレンダーで表示してくれるので家計の管理がしやすくなります。
簡単にデビットカードと連動できるので気になる方は是非、利用してみてください。
2-3. ポイントなどの還元があり、現金払いよりお得
デビットカードにもクレジットカードと同じようにポイントなどの還元があるものがあります。
そのため、現金払いよりはお得と言えます。
しかし、クレジットカードの還元率よりは低い傾向にあり、高くても銀行の決めた厳しい条件を達成しないとならないなど、原則低めです。
2-4. 現金を引き出したり持ち歩く必要がなくなるので便利
デビットカードはクレジットカードとほぼ同じようにVISAなど同じ国際ブランドの加盟店で支払いができるので、大量の現金を持ち歩く必要がなくなります。
財布の中身もかさばらなくなり、いちいちATMに行く必要がなくなるのでATM手数料も節約できます。
2-5. 15歳から持てる
デビットカードは15歳*から持つことができます。
*三井住友銀行など一部の銀行では15歳未満でも作成できます。
最近ではネットなどでクレジット機能がなければ決済できないケースもあるので、高校生でもクレジットカードが欲しいと思うことが多いはずです。
デビットカードならば高校生でも作れて利用でき、海外留学に行く方も利用できます。
2-6. ショッピング保険付きで、不正利用も補償される
ショッピング保険や不正利用に対しての補償が付帯しているデビットカードもあるので、安心して利用ができます。
ショッピング保険は購入した商品が破損などのトラブルにあっても条件を満たせば、補償を受けられる保険です。現金払いでは付かなかったり有料であることが多いです。
不正利用に対しての補償も付帯しているデビットカードもあるので盗難や紛失にもしあっても安心です。しかし、この補償には上限があるので注意が必要です。
2-7. 一部ハイランクカードの特典も利用できる
最近はプラチナカードの機能や特典が付いているデビットカードがあります(『タカシマヤプラチナデビットカード』『プラチナデビットカード(Mastercard)』)
2-1. でも触れた通り、原則審査がないのに下記のようなハイステータスカードの特典を利用できるのは大きなメリットです。
- VISAのプラチナコンシェルジュサービス
- 最高1億円の海外旅行保険(自動付帯)
- 世界1,000か所以上の空港ラウンジを無料で利用できる
- 提携しているレストランの所定コース2名以上予約で1名分無料
- 年1回最大10万円までのモバイル端末の保険が自動で付く
銀行の作成条件を満たして年会費を払えば、誰でもこのような豪華なサービスを使えるので、非常に便利です。
2-8. 海外のATMにて現地通貨を引き出せる
海外に行った際にクレジットカードで支払いや現地通貨をキャッシングすることで空港などで換金するよりも手数料が安く済みますが、デビットカードでも同じことができます。
- クレジットカード同様、海外で利用可能
- 自分のお金を現地通貨として引出せる、キャッシングと違って金利がかからない
クレジットカードはもちろん、キャッシング機能にも審査があるため利用できる人が限られます。
しかし、デビットカードは原則審査がないので誰でも持つことができ、現地で安全に必要なだけの現金を引き出すことができるので便利です。
3. デビットカードを作る時の2つの注意事項
上記のメリットとデメリットを読んで、デビットカードを作ろうと検討している場合、発行時には以下のことに注意しなければいけません。
- デビットカードを発行する銀行の口座が必要
- どこの銀行で作ってもいいわけではない
以上のことに注意しなければ、スムーズにデビットカードを作れなかったり、使い勝手が良くないものを持ってしまう可能性があります。
3-1. デビットカードを発行する銀行の口座が必要
デビットカードはクレジットカード会社から発行されるのではなく、銀行が発行するカードです。
そのため、デビットカードを発行するにはその銀行の口座を作る必要があります。
- 『Oliveフレキシブルペイ』を作る→三井住友銀行の口座が必要
- 『Sony Bank WALLET(Visaデビット付キャッシュカード)』を作る→ソニー銀行の口座が必要
銀行口座の開設には健康保険証などの本人確認書類と印鑑(シャチハタ以外)が必要です。
3-2. どこの銀行で作ってもいいわけではない
デビットカードは日本のいろんな銀行で作ることができます。
しかし、日本の銀行の多くで作れるデビットカードはVISAなどのブランドデビットカードではなく、「ジェイデビットカード(J-Debit)」なのです。
ブランドデビットカードとジェイデビットカードの違いは以下の通りです。
ブランドデビットカード | クレジットカードと同様に海外(ほぼどこでも)やネットショッピングコンビニでも世界中のVISA・Mastercard・JCBのマークがあるお店で利用可能 |
ジェイデビットカード | ジェイデビット(J-Debit)のマークがある場所が少ないので海外やAmazonなどのネットショッピングなどで利用することができない。 |
このようにせっかくデビットカードを作っても、ブランドデビットカードでなければ利用できる場所が限られてしまうのです。
ただ、最近はVISAなどのブランドデビットカードを公式ページや広告で案内して発行しているので、よほどの事がない限りジェイデビットカードを間違って作ることはないでしょう(そもそもキャッシュカードに自動で付いている事がほとんどです)
月々の支払いに使えるデビットカードは限られる
ブランドデビットカードならばネットでの決済はできますが、ネットサービスの月々の支払いなどの毎月料金が発生するコンテンツの支払いには利用できるデビットカードは少ないです。
なぜなら、デビットカードは決済の際に預金口座から金額が引かれるので、請求日に口座残高不足で利用料金を回収できないというトラブルが多かったからです(クレジットカードはカード会社が立て替えて払うためサービス業者は安心できる)
しかし、すべてのブランドデビットカードで月額支払ができないわけではなく、例えばPayPay銀行の『PayPay銀行Visaデビット付キャッシュカード』は月々払いが可能な項目が多いVISAデビットカードで、携帯電話料金、動画サイトなどの月額利用料金の支払いに使えます。
最近では大手の携帯電話料金など月額利用料金の支払いにも使えるデビットカードも増えています。
4. おすすめのデビットカード3選
この章ではおすすめのデビットカードを3枚おすすめします。
デビットカードを選ぶ際に重視するポイントとして以下の2つが挙げられます。
- ポイント還元率
- 付帯保険
ポイント還元率
デビットカードのポイント還元率は0.2%程度であることが多いです。ですが中には1%の高還元なデビットカードもあります。
付帯保険
デビットカードに主に付帯している保険は、第三者に不正利用された時に保証してもらえる保険と商品の破損・盗難を補償してくれるショッピング保険の2通りがあります。
以上の点を踏まえておすすめできるデビットカードは以下の3枚です。
- 『Oliveフレキシブルペイ ゴールド』
- 『イオン銀行キャッシュ+デビット』(JCB)
- 『Sony Bank WALLET(Visaデビット付キャッシュカード)』
4-1. 『Oliveフレキシブルペイ ゴールド』
『Oliveフレキシブルペイ ゴールド』は三井住友銀行・三井住友カードが発行するデビットカードを含む1枚で3つの支払いができます。
デビットカードでありながら、下記のようにポイントを多く手に入れやすいです。
- 選べる特典で給与・年金受取特典200ポイントなど
- 毎年、年間100万円の利用で10,000ポイント
- 対象のコンビニ・飲食店での利用時に最大+8%ポイント還元
気になる年会費も初年度無料で、年間100万円以上利用すると翌年以降永年無料にできるなど所持しやすいです。
それでいて、デビットモードでの支払いをすることで最高2,000万円の旅行保険が国内・海外ともに補償対象になったり、買物保険の補償限度額は300万円まで付きます。
『Oliveフレキシブルペイ ゴールド』公式ページ:
https://www.smbc.co.jp/kojin/olive/
18歳未満の方や年会費などが気になる方は、国内旅行保険と買物保険は付かなくなりますが、『Oliveフレキシブルペイ 一般』でもポイントを多く得られやすいです。
4-2. 『イオン銀行キャッシュ+デビット』(JCB)
『イオン銀行キャッシュ+デビット』(JCB)は通常の還元率は0.5%ですが、全国にあるイオングループでの買い物では1%と高めの還元率となる年会費無料のデビットカードです。
デビットカードとしては下記のような最高レベルの買い物保険が付くのが大きなメリットです。
- 年間50万円まで購入日から180日間補償
- iPhoneなどのスマートフォンも対象となる(クレジットカードの買い物保険では対象外が多い)
それだけでなく、不正利用されても損害額を補償すると公式ページの案内に大きく紹介しているので安心して利用できます。
『イオン銀行キャッシュ+デビット』(JCB)公式ページ:
4-3. 『Sony Bank WALLET(Visaデビット付キャッシュカード)』
『Sony Bank WALLET(Visaデビット付キャッシュカード)』はソニーグループのインターネット専用銀行が発行するデビットカードです。
条件は厳しいですが、最大2%のキャッシュバックを受けることも可能な高い還元率を誇ります。
また、ショッピング保険や不正利用補償が付き、公式ページに細かく条件が書かれているため安心して利用できる1枚でもあります。
『Sony Bank WALLET(Visaデビット付キャッシュカード)』公式ページ:
参考情報
上記でご紹介したデビットカードにピンと来なかった方は「全163枚のデビットカードを徹底比較!おすすめの1枚が必ずわかる」の記事では全てのデビットカードをご紹介しているので、そちらも参照してください。
5. まとめ
デビットカードのデメリットと詳細についてご紹介しました。
冒頭でも述べた通り、デビットカードは持つことのメリットが多く、海外では急速に普及し始めていますが、その反面気を付けなければ、預金残高を全て失ってしまうようなデメリットもあります。
デビットカードの気を付けなければいけないデメリットは以下の通りです。
- 分割払いやリボ払いなどができない
- 国際ブランド搭載でも利用できない場合がある
- 盗難や紛失時の不正利用に対する補償額の上限が低い
- クレジットヒストリーが作れない
- ポイント還元率はクレジットカードに劣る
- 時間帯によっては利用できないデビットカードもある
おすすめのデビットカードは以下の3枚です。
あなたがデビットカードのデメリットを把握した上で、上手に活用できることを願っています。