「FXで確定申告が必要な人ってどんな人?」「確定申告って難しそうだけど、どうやればいいの?」等、FXにつきものの「確定申告」についてわからず悩んでいませんか?
2012年以降、FXは「申告分離課税」という課税方法になっているため、「年間で一定以上の利益を上げた人」や「損失を翌年以降に繰り越したい人」は必ず「確定申告」をする必要があります。
そのため、既にFXをやっている人はもちろん、これからFXを始めようと思っている人は「FXに関わる確定申告」について正しく理解しておくことが大切です。
このページでは、「FXの確定申告で必要な知識と注意点」について、以下の流れに沿ってわかりやすく詳細に解説します。
すべて読めば、FXの確定申告で必要な正しい知識が得られ、迷うことなく確定申告ができるようになるでしょう。
1. FXの確定申告が必要な人
FXの課税方法は「申告分離課税」といって、他の所得とは分けて一律20.315%(※2016年度税制:所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)で課税されます。そのため、FXの年間取引で一定以上の収益が出た場合には、確定申告によって必要な税金を納税しなければいけません。
FXの確定申告が必要な人は以下の3つのいずれかに当てはまる人です。
- FXでの年間所得が20万円を超えたサラリーマン(給与所得のある人)
- FXでの年間所得が38万円を超えたサラリーマン以外の人(給与所得がない人)
- FXの損失を翌年以降3年間繰り越したい人
※自営業者や副業をしているサラリーマン、年間所得が2000万円以上の給与所得者等、もともと確定申告が必要な人は上記に当てはまらなくても確定申告は必要です。その他、給与所得や退職所得・FX以外にも所得があり、自分が確定申告が必要かわからない人は税務署や税理士に確認するようにしましょう。
1-1. FXでの年間所得が20万円を超えたサラリーマン(給与所得のある人)
サラリーマン(給与所得のある人)は、基本的に源泉徴収により会社が代わりに税金を納めてくれますが、所得税法上に規定されている「2カ所以上から給与所得を受けた場合」や「給与所得及び退職所得以外の所得金額の合計額が20万円を超えた場合」等の一定の基準に該当した場合には自分で確定申告をしなければいけません。
FXの収益は「先物取引に係る雑所得等」として扱われるため、年間所得(利益−経費)が20万円を超えると確定申告が必要になります。(逆に言うと、年間所得が20万円以内なら確定申告は不要で税金もかかりません。)
1-2. FXでの年間所得が38万円を超えたサラリーマン以外の人(給与所得がない人)
サラリーマン(給与所得のある人)以外の人は、何かしら所得がある場合には確定申告が必要ですが、その所得が38万円以内なら確定申告は不要です。
その理由は、「所得税の基礎控除により年間38万円までは所得控除されるから」です。
そのため、FXでの年間所得(利益−経費)が38万円を超えた場合にのみ確定申告をする必要があります。
サラリーマン(給与所得のある人)は給与所得から38万円が基礎控除されます。
1-3. FXの損失を翌年以降3年間繰り越したい人
FX(先物取引に係る雑所得等)の損失については、特例により確定申告を行うことで「翌年以降3年間のFX(先物取引に係る雑所得等)の収益と繰越損益通算(相殺)」することが認められています。
そのため、FXをしていて年間損失が発生した場合には、手間は掛かりますが確定申告をした方がお得です。
2. 確定申告の流れ|誰でも簡単にできる全5ステップ
一見とても難しそうに見える確定申告ですが、必要書類を集めるのが面倒なだけで、以下の5ステップに沿って行うと実は意外と簡単にできてしまいます。
- ステップ1|FX業者から「年間損益報告書」を入手する
- ステップ2|源泉徴収票等の年間収入証明書類を用意する
- ステップ3|経費計上する項目がある場合には領収書を用意する
- ステップ4|国税庁のインターネットページで確定申告書類を作成する
- ステップ5|税務署で確定申告書を提出し税金を納税する
以下、それぞれのステップについて順を追ってご説明していきます。
2-1. ステップ1|FX業者から「年間損益報告書」を入手する
出典『GMO外貨ホームページ』より
まずは、そもそも自分の年間損益がいくらだったのかを証明するための「年間損益報告書」を自分がその年に取引したFX業者から入手する必要があります。
入手方法はFX業者によって異なりますが、基本的に「ネットでマイページからダウンロードする」方式になっている場合が殆どです。
FX業者によっては希望すれば郵送してもらえる場合もありますが、有料のケースが多いようです。
基本的に、「年間損益報告書」は待っていても郵送されてくることはなく、毎年1月中旬頃以降にネットのマイページを確認し、自分でプリントアウトする必要がありますので要注意です。
2-2. ステップ2|源泉徴収票等の年間収入証明書類を用意する
確定申告を行う場合には、FXの所得だけでなくその年に発生した他の所得も全て記載する必要があります。
そのため、確定申告書作成のための準備として源泉徴収票等の年間収入証明書類を用意しましょう。
専業主婦の人等で他に所得のない人は不要です。
2-3. ステップ3|経費計上する項目がある場合には領収書を用意する
FXでは現実的にあまり経費計上できる項目は多くはありませんが、経費計上する場合にはその領収書等を添付する必要があります。
そのため、確定申告書作成のための準備として経費項目の領収書等を用意しましょう。
参考までに、FXで経費計上できる可能性の高い項目は以下のようなものが挙げられます。(最終的には管轄税務署の判断による)
- インターネットプロバイダー費用
- FX書籍・資料代
- 新聞代
- FXセミナー受講料
- セミナーまでの交通費
- FX用パソコン購入代金(減価償却費)
- FX用携帯代
- 取引手数料
経費計上する項目がない人は不要です。
2-4. ステップ4|国税庁のインターネットページで確定申告書類を作成する
これまでのステップを通して確定申告書作成に必要な資料を用意したら、それらを使って確定確定申告書を作成します。
その際、国税庁のインターネットページの『確定申告書等作成コーナー』を使うと税金計算等が自動で行え、簡単に確定申告書類を作成することができます。
<具体的な入力方法>
基本的には画面に沿って必要事項を選んで入力していくだけで自動で税金計算された確定申告書が完成しますが、不安な人は、具体的な入力方法についてとてもわかりやすくまとめくれている『FXの税金と確定申告ガイド!』というサイトがありますので、以下にご紹介しておきます。
2-5. ステップ5|税務署で確定申告書を提出し税金を納税する
ステップ4で作成した確定申告書を作成したら、その書類をプリントアウトし住所地を管轄する税務署へ持参ないしは郵送により提出し、その後必要な税額を納税することになります。
納税方法には以下の3つがあります。
- インターネットバンキングや事前登録制専用システムのe-Taxを利用して電子納税する方法
- 指定した金融機関の口座から振替納税する方法
- 納付書を基に金融機関やコンビニで現金納税する方法
現在ではインターネットバンキングからの振込でも納税可能ですので、「郵送提出と電子納付」を行えば税務署に行かなくても簡単に納税できます。
確定申告書の提出に際し、記載内容について不安や疑問がある人は確定申告受付期間中には各国税局が「確定申告相談窓口」を設けて相談を受け付けていますので、提出前に相談することが可能です。
3. FXの確定申告時に押さえておくべき4つの注意点
FXの確定申告を行うあたり、必ず押さえておくべき注意点は以下の4つです。
- 年が明けたらFX口座から納税資金は出金して別に確保しておく
- 未決済ポジションの損益は課税計算対象外
- 未決済ポジションのスワップポイント(金利)はFX業者によって課税扱いが異なる
- FXの収入を会社にバレたくない場合は「住民税を普通徴収(自分で納付)」にて申告する
以下、順を追ってご説明していきます。
3-1. 年が明けたらFX口座から納税資金は出金して別に確保しておく
FXの確定申告で最もやってはいけない失敗は、「年末までは収益が上がっていたものの、そこから確定申告を行うまでの2カ月間に大損してしまい、税金が払えなくなる」という失敗です。
税金は1月〜12月の一年間の損益で計算しますが、実際に確定申告を行い納税するまでは約2カ月程度の時間差が発生します。
そのため、年末に年間損益が確定した時点で収益がある場合には必ずその20.315%にあたる納税資金は出金し別に確保しておくようにしましょう。
3-2. 未決済ポジションの損益は課税計算対象外
FXの年間損益計算の対象となるのは決済済みのポジションのみですので、年末時点で未決済のポジションについてはたとえどんなに含み益や含み損が発生していても決済しない限りその年の年間損益には計算されません。
そのため、年末最終日に持っている未決済のポジションについては、その状況次第で今年の損益にするか来年の損益にするかを選べるということでもあります。
前述した「サラリーマンの20万やサラリーマン以外の人の38万等の確定申告ラインをギリギリ超えそうで、回復する見込みのない含み損を抱えているようなら損切りした方がお得な可能性がある」等、年末時点の未決済ポジションについては注意して検討するようにしましょう。
3-3. 未決済ポジションのスワップポイント(金利)はFX業者によって課税扱いが異なる
未決済ポジションの差損益については決済するまでその年の年間損益には計算されませんが、スワップポイント(金利)については、「ポジションの決済とは関係なく毎日付与されるため、未決済でも課税対象になるFX業者(口座)」と「決済するまで付与されないため、未決済の状態では課税対象にならないFX業者(口座)」があるため注意が必要です。
デイトレードやスイングトレード等の短期トレーダーにとってはスワップポイントはそれほど大きな金額にはならないと思いますが、スワップ狙いの長期トレーダーにとっては影響のある項目かと思いますので、参考までに、以下に各FX業者(口座)の課税扱いについてまとめております。
未決済ポジションのスワップポイントの課税扱い(2016年8月情報) | |
課税対象にならないFX業者 | 課税対象になるFX業者 |
DMM FX | GMOクリック証券(FXネオ) |
GMOクリック証券(くりっく365) | ゴールデンウェイ・ジャパン |
SBI FXトレード | インヴァスト証券(トライオートFX) |
外為ジャパン | セントラル短資FX(FXダイレクトプラス) |
ヒロセ通商(LION FX) | GMO外貨 |
FXプライム | マネースクウェア・ジャパン(M2J) |
マネーパートナーズ | 楽天証券 |
外為オンライン | |
FXブロードネット | |
みんなのFX(トレイダーズ証券) | |
マネックスFX プレミアム |
確定申告に際しては、基本的に各FX業者が発行する「年間損益報告書」に課税対象となる年間損益が全て記載されておりますので、その金額を合計して申告するだけで問題ありあません。
3-4. FXの収入を会社にバレたくない場合は「住民税を普通徴収(自分で納付)」にて申告する
所得税は国税のため確定申告をして税務署に納税しますが、住民税は地方税ですので、確定申告の内容が税務署から地方自治体に送られて地方自治体より納税請求されることになります。
その際、毎月の給与から差し引かれる「特別徴収」と郵送された納税通知書を持って金融機関やコンビニで自分で納税する「普通徴収」の2種類から選択することが可能です。
仮に、副業とみなされてしまう可能性がある等の理由でFXの収入を会社にバレたくない場合には、必ず、自分で納付する「普通徴収」を選択して申告するようにしましょう。
注意
扶養家族になっている専業主婦の人等は、確定申告意外にも社会保険等の注意すべき点があります。詳しくは以下のページの中でご紹介していますので、該当する人は確認してみて下さい。
4. まとめ
いかがでしたでしょうか。
これまで抱いていた「確定申告」に対する疑問や不安が解消されたのではないでしょうか。
一見難しそうな確定申告ですが、手順を押さえて実際にやってみると意外と簡単に行うことができますし、一度経験してしまえば2回目以降はなんてことない作業です。
本ページではFXの確定申告で必ず押さえておくべき重要なポイントを出来る限り詳細にご紹介してきましたので、あなたのFXトレードの一助となれれば幸いです。
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