3分でわかるFX経済指標!押さえるべき重要指標とその見方

3分でわかるFX経済指標!押さえるべき重要指標とその見方

FXの「経済指標」について、「どんな指標をどのように見れば良いか」がわからず悩んでいませんか?

経済指標」の読み解きは、世界各国の経済情勢によって大きく変動するFXにおいて勝ち続ける上で必須事項であり、テクニカル分析と並んで二大重要分析の一つでもあります。

しかし、FXをはじめたばかりのほとんどの人が専門的で取っ付きにくいという理由から「経済指標」を敬遠してしまっており、なんとなくトレードを行いながら負けトレードを重ねてしまっているというのが実態です。

このページでは、「FXで必ず押さえておくべき重要経済指標とその見方」について、以下の流れに沿ってわかりやすく詳細に解説します。

  1. 「経済指標」で必ず押さえておくべき重要指標5選とその見方
  2. 上級者なら押さえておくべき「3つの経済指標」と「5つの景況感指数」

すべて読めば、FXで重要な「経済指標」についての読み解き方がわかり、「経済指標発表」を上手く活用したトレードができるようになるでしょう。

1. 「経済指標」で必ず押さえておくべき重要指標5選とその見方

「経済指標」は世界各国で様々なものが発表されており、すべてを合わせると膨大な数になりますが、FXで注目されている「経済指標」は、取引する通貨ペアにもよりますが、FXで圧倒的に取引量が多く全ての通貨に対して影響の大きな『ドル』『ユーロ』と日本人なら外せない『円』絡みの概ね以下のような38種程度です。

さらに、その中でも『FOMC政策金利発表』『FOMC議事録公表』『米国雇用統計』『日銀金融政策決定会合』『ECB政策金利発表』の5つは、毎回大きくレートを動かすような「FXで必ず押さえておくべき重要指標」ですので、しっかりと押さえるようにしましょう。

米国の重要経済指標26種一覧
金融政策関連FOMC政策金利発表、FOMC議事録公表
景気関連

(全般)

GDP(国内総生産)、ISM製造業景気指数、ISM非製造業景気指数、ニューヨーク連銀指数、フィラデルフィア連銀指数、鉱工業生産、耐久財受注
景気関連

(消費部門)

ミシガン大学消費者信頼感指数、消費者信頼感指数、新築住宅販売件数、中古住宅販売件数、住宅着工件数、住宅建設許可件数、小売売上高、個人所得・支出
雇用関連雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、ADP雇用統計、新規失業保険申請件数
物価関連CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)
貿易・財政関連貿易収支、財政収支、対米証券投資
日本の重要経済指標6種一覧
金融政策関連日銀金融政策決定会合
景気関連(全般)GDP(国内総生産)、日銀短観、景気動向指数
物価関連CPI(消費者物価指数)、企業物価指数
ユーロ圏の重要経済指標6種一覧
金融政策関連 ECB政策金利発表
景気関連(全般)Ifo景況感指数、ZEW景況感指数、ドイツGDP(国内総生産)
物価関連ドイツCPI(消費者物価指数)、ドイツPPI(生産者物価指数)

※米国の指標が圧倒的に大事!

為替動向には世界各国の情勢が影響を与えますが、その中でも米国の情勢は最も大きな影響を与えるため「米国の重要経済指標を押さえること」は非常に大切です。

その理由は、世界の基軸通貨は『ドル』であり、圧倒的に世界で最もよく使われている通貨が『ドル』だからです。

外国為替市場取引高ランキング

上図のとおり、世界の取引通貨ペアの上位6つは『ドル』絡みのペアであり、上位6通貨ペアだけで全体の6割以上の取引量があります。さらに、その他の通貨との取引も合わせると『ドル』は為替全体の8割以上の取引に絡んでおり、「ドル(米国)の情勢」は世界の為替情勢に非常に大きな影響を及ぼします。

1-1. 『FOMC政策金利発表』

FXトレーダーであれば絶対に押さえておくべき最重要重要指標が「FOMC」です。

FOMCとは連邦公開市場委員会のことで、米国の政策金利を決定する非常に重要な委員会です。FOMC関連指標には「FOMC政策金利発表」と「FOMC議事録公表」がありどちらも重要です。

FOMC政策金利発表は、FOMCが発表する政策金利のことで、年8回6週間毎に発表されます。政策金利とは、中央銀行が金融政策のねらいを示すために設定する短期金利のことです。デフレ傾向のときは金利を下げ、インフレ傾向のときは金利を上げるのが一般的です。

当然のことながら金利が高い通貨が買われますので、「金利の引き上げあると大きく買われ、引き下げがあると大きく売られる」ということになります。しかしながら、FXでは、通常は金利が発表される前から直近の経済指標の結果等に基づいた事前予想によって事前トレンドが発生するケースが多いですので、発表結果が事前予想と比較して「期待以上なのか、期待はずれなのか」が最も大切な注目ポイントになります。

※このFOMC政策金利が、事前予想と比較してどうなった(予想通りor予想外に変更された)かが注目ポイントになります。

1-2. 『FOMC議事録公表』

FOMC議事録公表とは、年8回開かれるFOMCの議事録の公表のことを指します。委員会が開かれた3週間後に議事録が公表されます。政策金利の背景や、米国の経済状態・先行きなどの議論の結果を公表します。

※米国の今後の金融政策の方向性や方針を知ることができ、内容によっては為替相場が大きく動く可能性があります。

1-3. 『米国雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)』

「FOMC」と並ぶ最重要重要指標が「雇用統計」です。いくつかの指標をまとめて雇用統計と呼び、一般的に雇用統計と言った場合、非農業部門雇用者数と失業率のことを指します。

FOMCでは米国の景気動向を計るための指標として雇用統計を最も重要視しているため、FXをしている人は絶対に押さえるべき指標です。

※「非農業部門雇用者数が増え」、「失業率が下がる」と米国経済が良くなってきているという見方ができますが、FXではこれらが事前予想と比較して良かったのか悪かったのかが注目ポイントになります。

1-4. 『日銀金融政策決定会合』

日本の中央銀行である日本銀行が、政策金利や金融緩和・金融引締め等の「金融政策」を決定するために行われる会合で、年8回、各会合とも2日間開催されます。

ここでの決定内容は会合終了後直ぐに公表され、会合の議事要旨については、次回の決定会合(ただし、臨時の決定会合の議事要旨につき次回の決定会合に提出することが困難である場合には、次々回の決定会合)で承認のうえ、その3営業日後に公表されます。

こちらも、「市場での予想や期待と決定政策内容とのギャップがあるかどうか」が注目ポイントになります。

※日本の今後の金融政策の方向性や方針を知ることができ、内容によっては円の為替相場が大きく動く可能性があります。

1-5. 『ECB政策金利発表』

ECBとはユーロ圏の中央銀行である欧州中央銀行のことで、ECB役員6名とユーロ導入国の中央銀行の総裁で構成されるECB政策理事会によりユーロの政策金利等の金融政策が決定されます。理事会は原則2週間毎に開催され、月の1回目の理事会で政策金利が決定されます。

※ECB政策金利が、事前予想と比較してどうなった(予想通りor予想外に変更された)かと共に今後のユーロの金融政策の方向性がどうなったかが注目ポイントになります。

2. 上級者なら押さえておくべき「3つの経済指標」と「5つの景況感指数」

基本的にFXで勝ち続けているトレーダーであれば前述の38種の指標については全て注目しているものですが、前章でご紹介した必ず押さえておくべき5つの重要指標に加え、上級者であれば特に押さえておくべき指標は以下の8つです。

  • GDP(国内総生産)
  • 小売売上高
  • 鉱工業生産
  • 各種景況感指数(米国消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数、日銀短観、IFO景況感指数、ZEW景況感指数)
米国の重要経済指標26種一覧
金融政策関連FOMC政策金利発表、FOMC議事録公表
景気関連

(全般)

GDP(国内総生産)、ISM製造業景気指数、ISM非製造業景気指数、ニューヨーク連銀指数、フィラデルフィア連銀指数、鉱工業生産、耐久財受注
景気関連

(消費部門)

ミシガン大学消費者信頼感指数消費者信頼感指数、新築住宅販売件数、中古住宅販売件数、住宅着工件数、住宅建設許可件数、小売売上高、個人所得・支出
雇用関連雇用統計(非農業部門雇用者数、失業率)、ADP雇用統計、新規失業保険申請件数
物価関連CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)
貿易・財政関連貿易収支、財政収支、対米証券投資
日本の重要経済指標6種一覧
金融政策関連日銀金融政策決定会合
景気関連(全般)GDP(国内総生産)日銀短観、景気動向指数
物価関連CPI(消費者物価指数)、企業物価指数
ユーロ圏の重要経済指標6種一覧
金融政策関連 ECB政策金利発表
景気関連(全般)Ifo景況感指数ZEW景況感指数ドイツGDP(国内総生産)
物価関連ドイツCPI(消費者物価指数)、ドイツPPI(生産者物価指数)

2-1. 『GDP(国内総生産)』

GDP(国内総生産)とは、「一定期間内に国内で新たに生産されたサービスや商品の付加価値の総額」というような説明がよくなされますが、簡単に言うと「一定期間内に国内で生み出された利益(儲け)の総額」ということです。

GDPはその国の経済の規模や成長度合いを測るうえで世界的によく使われており、多くの国で年に数回速報値が発表されています。

基本的に通貨の価値はその国の経済の強さに比例していきますので、「GDPの大きさや伸び率」はその通貨の本来的な価値やポテンシャルを判断する上で非常に重要です。

※年に数回発表されるうちの特に最初の速報値がより注目されやすいですが、「発表値が伸びているか、諸外国と比較してどうか」が注目ポイントになります。

2-1. 『小売売上高』

小売売上高とは、百貨店やスーパー等の小売・サービス業の売上高をまとめた指標で、個人消費の観点から景気を判断するうえで重要視されている指標です。

多くの国ではGDPの6割以上を個人消費が占めており、消費大国の米国では約7割を占めるため、個人消費動向は景気を判断するうでで欠かせない項目であり、小売売上高の推移から景気見立てを行うことになります。

※毎月発表される小売売上高が「季節調整を行ったうえで伸びているか、事前予想と比較してどうだったか」が注目のポイントになります。

2-3. 『鉱工業生産』

小売売上高が「個人消費」の観点で景気を測る指標であるのに対して、鉱工業生産は「(企業)生産」の観点で景気を測る指標です。

経済活動において、消費と生産は対をなす活動であるため、「消費が活発であれば生産も活発になり、消費が減退すれば生産も減退する」という関係性から、企業の生産活動の活発さを測ることができ、小売売上高と合わせて景気見立てを行ううえで重要になってきます。

※毎月発表される鉱工業生産が「季節調整を行ったうえで伸びているか、事前予想と比較してどうだったか」が注目のポイントになります。

2-4. 『5つの景況感指数』

前述の経済景気見立てを判断する上で重要な3つの指標と共に大切になってくるのが、消費者や企業の実感値を測った各種「景況感指数」です。

実際の消費活動には消費者の心理が大きく影響を与えるため、消費者が景気が良いと感じていなければ消費活動は増えません。そのため、今後の景気見立てを行う上で実際に消費者や企業がどのように感じているかを測った各種景況感指数は非常に参考になりとても重要視されています。

景況感指数については各国で様々な種類のものが調査発表されていますが、ここでは米国・日本・ユーロ圏についての代表的な5つの景況感指数を以下ご紹介していきます。

米国消費者信頼感指数

米国消費者信頼感指数は、非営利の民間調査機関である全米産業審議委員会(コンファレンスボード)が毎月5,000世帯を対象に行う景況感についての調査をまとめた指数で、調査数が多いことから米国でもっとも信頼性が高いとされている景況感指数です。

調査はアンケート形式で行なわれ、現在の景況感・雇用状況、6ヵ月先の景況感・雇用・所得、6ヵ月以内の購入計画(自動車・住宅など)の項目に対する消費者マインド(楽観もしくは悲観)の回答結果を指数化し、現状への評価を示す「現況指数」、6ヵ月先の景況感を示す「期待指数」が発表されます。

数値は1985年時点を基準値=100として発表されており、発表値が100よりも高いか低いかで1985年よりも景況感が良いか悪いかがわかるようになっています。

※毎月発表される米国消費者信頼感指数の数値が「前回よりも良くなっているか」が注目のポイントになります。

ミシガン大学消費者信頼感指数

ミシガン大学消費者信頼感指数とは、ミシガン大学のサーベイ・リサーチセンターが実施する景況感調査をまとめた指数で、米国消費者信頼感指数よりも調査規模が小さいものの先行して発表されるため、米国消費者信頼感指数の先行指標として使われる景況感指数です。

基本的な調査内容は米国消費者信頼感指数と同じようなものになりますが、調査対象が500人(速報値は300人)と規模が小さいということと、基準年が1966年=100となっている点が異なります。

※毎月発表されるミシガン大学消費者信頼感指数の数値が「前回よりも良くなっているか」が注目のポイントになりますが、後に発表される米国消費者信頼感指数の結果を占うための先行指標として使われます。

日銀短観

日銀短観とは、「全国企業短期経済観測調査」の略で、日本銀行が国内の資本金2千万円以上の企業(1万社超)を対象に、業績・設備投資・雇用状況などの調査を行い、四半期に一度のペースで発表する企業側からみた景況感調査をまとめたものです。

米国でいう「米国消費者信頼感指数」は、日本では内閣府が行う「消費者態度指数」がもっともそれに近い調査になりますが、日本の場合、「調査対象が1万社以上と多く、回答率も99%と高いうえ、速報性も高い」という理由から企業に対して行う「日銀短観」の方が重要視されています。

※四半期毎に発表される日銀短観のうち、景況感を「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出される「業況判断指数(DI)」の数値が良くなっているかが特に注目のポイントになります。

 Ifo景況感指数

Ifo景況感指数(別名:IFO業況指数)とは、ドイツのIfo経済研究所が約7000社のドイツ企業を対象に、ドイツ経済の現況と今後6カ月の先行きに対して毎月アンケート調査を実施し、現況と先行きを加重平均した指数です。

Ifo景況感指数は、日本における日銀短観のように、ユーロ圏で最大規模を誇るドイツの企業側からみた景況感を判断することができ、ユーロ圏全体の経済を判断する上でも非常に重要視されている指標です。

Ifo景況感指数では2000年を基準値=100として発表され、調査項目については、生産・在庫・受注・価格・雇用に分かれ、特に鉱工業生産との関連性が高い内容になっています。

※毎月発表されるIfo景況感指数の数値が「前回よりも良くなっているか」が注目のポイントになります。

 ZEW景況感指数

ZEW景況感指数とは、ドイツの民間調査会社であるZEW(欧州経済研究センター)がアナリストや機関投資家、市場関係者など約350人を対象に毎月行うドイツの景況感についてのアンケート調査を基に算出した指数で、Ifo景況感指数の先行指標として使われる景況感指数です。

ZEW景況感指数は、今後6カ月の景気見通し(良くなるか、悪くなるか)について調査を行い、良いという回答から悪いという回答を差し引いたもので、ゼロを基準として発表されます。

一般にZEW景況感指数は、Ifo景況感指数の1週間前に発表されるため、Ifo景況感指数を占うための先行指標として市場で注目されていますが、ユーロ圏の景況感指標としては、Ifo景況感指数に次いで注目度が高く、ECBの金融政策にも大きく影響を与える重要指標です。

※毎月発表されるZEW景況感指数の数値が「前回よりも良くなっているか」が注目のポイントになりますが、後に発表されるIfo景況感指数の結果を占うための先行指標として使われます。

3. まとめ

いかがでしたでしょうか。

「経済指標」についてのイメージが大きく変わり、何に注目すべきかがわかったのではないでしょうか?

「経済指標」の読み解きはFXで勝ち続ける上で最も大切な項目の一つです。膨大な種類のある「経済指標」でも、自分のトレードする通貨レートを大きく動かすものはそれほど多くありませんので、重要指標についてはしっかりと理解し、上手く活用したトレードができるようにしましょう。

本ページではFXで必ず押さえておくべき「経済指標」についての重要なポイントを出来る限り詳細にご紹介してきましたので、あなたのFXトレードの一助となれれば幸いです。

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