年会費無料の法人カードおすすめ3選【2024年版】

法人カードは作りたいけどコストが増えるのは嫌だから年会費無料の法人カードがないか探していませんか。

結論から述べると年会費無料の法人カードは数えるほどしかありません。さらにその中で不自由なく利用可能で実用的な年会費無料のカードは3枚しかありません。

この記事では大手カード会社に3社勤務した私がその経験を生かして、年会費無料の法人カードについて以下の流れで紹介します。

  1. 3枚のおすすめ年会費無料法人カード
  2. お試し利用に最適の2枚の初年度年会費無料法人カード
  3. 法人カードについてよくある質問

世間では年会費無料の法人カードは条件の悪いものが多いと言われることもありますが、中には利用しやすい年会費無料の法人カードもあります。

ただ、年会費が無料な分ポイントやマイルなどの還元率やサービス・特典などは制限されている傾向にあるため、空港ラウンジ無料利用など機能を重視する方は初年度年会費無料の法人カードも検討した方が良いです。

この記事を読むことで本当におすすめの年会費無料の法人カードについて知ることができます。

1. 3枚のおすすめ年会費無料法人カード

法人カードは全部で100枚近くありますが、その中で年会費無料の法人カードは数えるほどしかありません。

さらに、年会費無料の法人カードの中には利用できる場所が制限されていることもあります。

例えば、『コーナンPRO Businessカード』『カーマビジネスカード』などは年会費無料の法人カードですが利用店舗が限定されています。

ただ、この章で紹介する以下の3枚の年会費無料の法人カードはこれといったデメリットもなく、安心して導入できる法人カードです。

  • 『セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード』
  • 『ライフカードビジネスライトプラス』
  • 『P-one Business Mastercard』

この中で最もおすすめなのは『セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード』です。

このカードは完全に年会費無料なのにポイント還元率を最高2.5%にすることができ、JALとANAのマイル両方に交換できる希少なカードです。

クレジットカードの審査に自信のない方は『Visaビジネスデビット』(個人事業主向け)または『Visaビジネスデビット』(法人向け)だと与信審査なしでショッピング限度額上限500万円、最大1%キャッシュバックを受けられます。

『セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード』

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードの券面画像(2023年版)

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード』は2019年12月24日より募集を開始した個人事業主や中小企業代表者などを対象にした新しい法人カードで、2022年1月26日より年会費永年無料になりました。

公式ページに「個人事業主・フリーランス・スタートアップを支援」「登記簿謄本・決算書不要」などと書かれており、作りやすいと考えられます。

セゾン・アメリカン・エキスプレスカードの法人カードの特徴

セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカードは登記簿謄本・決算書不要

引用:セゾンカード 

カードの利用で1,000円につき1永久不滅ポイントがたまり、1ポイントはほぼ5円の価値なので、ポイント還元率としては0.5%相当ですが、次の特定加盟店での利用では最大ポイント還元率2%まで上げられます。

  • +0.5%:セゾンクラッセ☆6クラス特典の永久不滅ポイントが2倍
  • 2%:Amazon Web Service、Xサーバー、お名前.com、サクラインターネットなどビジネスに関連した10の特定加盟店での利用

 

また、その名の通りカードを所持している間はポイントの有効期限を気にせずに貯め続けられるため、少額やたまにしか使わない個人事業主や中小企業代表者も安心して貯められます。

ANAマイルは200ポイントで600マイルに交換できるので通常マイル還元率が0.3%、最高で1.2%にできます(JALマイルは不定期に行われるマイルレートアップキャンペーン時)

利用可能枠も最大500万円で臨時増枠にも応じてくれるなど、ビジネスユースに最適な1枚と言えるでしょう。

『セゾンコバルト・ビジネス・アメリカン・エキスプレスカード』公式ページ

https://www.saisoncard.co.jp/amextop/cp-as/cb2.html

『ライフカードビジネスライトプラス』

ライフカードビジネスライトプラスMastercardの券面画像

ライフカードビジネスライトプラス』は完全年会費無料、追加カードも年会費無料で3枚まで発行でき、ETCカードの発行も年会費無料の維持費用が全くかからない法人カードです。

2022年9月29日より0.5%のポイント還元が受けられるようになり、リボ払いなど様々な支払い方法に対応しており、利用限度額も最大500万円まで利用することができます。

また、審査に関しても以下のようにハードルが低いです。

  • 法人の場合:法人代表者の本人確認資料・法人名義口座
  • 個人事業主の場合:事業主の本人確認資料・屋号名もしくは本人名義の口座

決算書や確定申告書の提出が必要なく、審査も比較的柔軟に審査が行われています。

そのため、起業して1年目の方でも、代表者の過去の個人での利用実績に問題が無ければ、作れる可能性は高いです。

『ライフカードビジネスライトプラス』公式ページ:

https://lifecard-promotion-dg.com/business/plus.html

『P-one Business Mastercard』

P-one Business Mastercardの券面画像

P-one Business Mastercard』は年会費は初年度無料で次年度以降は2,200円(税込)かかりますが、年間一回でもカード利用すれば年会費は無料になるので実質無料の法人カードです。

また、このカードにはショッピング保険が最高300万円まで付帯しています。ただ、このカードはゴールドカードですが旅行保険は付帯しておらず空港ラウンジの利用などもできません。

しかし、実質年会費無料ということを考えれば、デメリットもなく利用できるので非常におすすめのカードと言えます。

『P-one Business Mastercard』公式ページ

https://www.pocketcard.co.jp/card//business/card_ponebm.html

上記でご紹介した年会費無料の法人カードは大きなデメリットもなく利用可能ですが、ポイントなどの還元率や特典・サービスが物足りないという方は次章にて初年度年会費無料のおすすめ法人カードを紹介します。

初年度年会費無料なので、カードを作ってもあまりメリットが感じられなければ、カードを持って2年目になる前に解約すれば実際のコストはかかりません。

2. お試し利用に最適の2枚の初年度年会費無料法人カード

この章では永年年会費無料ではないですが、初年度年会費無料の法人カードを紹介します。

しかし、初年度年会費無料の法人カードも種類が少なく、年会費やサービスの良さなどからおすすめできるのは以下の2枚です。

  • 『EX Gold for Biz M』:追加発行予定カード3枚までの方におすすめ
  • 『JCB法人カード』:追加発行カードに制限なし、中小企業の方におすすめ

それぞれ追加発行予定枚数に合わせて選ぶカードを決めましょう。

どのカードにするか迷った場合は『JCB法人カード』がポイント還元や追加発行可能枚数、年会費、付帯保険など総合的にバランスが取れているのでおすすめです。

『EX Gold for Biz M』

EX Gold for Biz Mの券面

EX Gold for Biz M』はビジネスゴールドなのに初年度年会費無料、2年目以降も2,200円(税込)と安いです。法人カードなのにポイント還元率が0.6%〜1.1%と高めなのもお得です。

審査が緩く、営業年数が問われないので法人カードが欲しい方には非常におすすめです。ゴールドカード扱いなので、サービスもゴールド水準で限度額も300万まであります。

また、Mastercardブランドを選択すると年会費の高いゴールドカードでしか利用できない高級レストランのコース料理が1名分無料になるサービスを利用できるので、接待の機会が多ければ非常にコスパの高いカードとなります。

『EX Gold for Biz M』公式ページ

https://www.orico.co.jp/business/creditcard/

『JCB法人カード』

JCB一般法人カード NL の券面画像

JCB法人カード』は初年度無料、次年度以降1,375円(税込)の年会費がかかる法人カードです。追加カードも審査次第では複数枚を持つことができ、年会費も同じです。

このカードが最もおすすめな理由としては0.5%のポイント還元とクレジットカード業界初のサイバーリスク保険が付帯しており、ETCカードも審査次第では複数枚を無料で持つことができるなど、様々な面でお得だからです。

基本的にJCBのカードがサービスや年会費の面から見て、最もおすすめできます。その中でも最もバランスのとれたカードがこのカードと言えます。

『JCB法人カード』公式ページ:

https://www.jcb.co.jp/promotion/ordercard/corp/

代表者本人しか利用しないのであれば、『JCB CARD Biz』の方がポイントをマイルに交換できる・Apple Payを使える・分割やリボ払いができるなど便利なので、おすすめです。

3. 法人カードについてよくある4つの質問

この章では法人カードについてよくある質問を紹介します。

  • 法人カードと個人用カードの違いはありますか?
  • 「法人カード」「コーポレートカード」「ビジネスカード」の違いはなんですか?
  • 法人カードを導入するメリットはなんですか?
  • 法人カードを導入するデメリットはなんですか?

この章を読むことで審査、メリット、デメリットなどのカード利用前に知っておかなければいけない情報がわかります。

3-1. 法人カードと個人用カードの違いはありますか?

法人カードと個人用カードは以下のように違います。

法人カード個人用カード
 支払い口座法人口座(個人事業主名義の口座)個人口座
 審査対象「企業」と「代表者個人」申し込み者個人
初期利用限度額高め(100万円〜1,000万円)低め(10万円〜300万円)
 キャッシング制度ないことが多いある
利用目的事業費の支払いのみ
  • 生活費の支払い
  • 事業費の支払い※
 追加カード追加発行に制限がないものが多い家族カードの発行には制限がある
支払い方法原則1回払いのみ1回払い、分割払い、リボ払いなど
ビジネス特典ありなし

※カード申込時に申請をし、カード会社が認める範囲で可能

ざっくり説明すると、法人の決済ツールとして利用や機能・制限が指定されています。

その性質上、高金利での短期借り入れ金になるキャッシング機能は原則使えず(銀行等の金融機関で融資を受けるのが普通です)、カード会社の貸し倒れリスクの高さから原則1回払いしかできません。

また、利用用途も交通費や仕入れ等の事業で使う費用にしか使えません。

クレジットカードの機能としてはVISAなど同じ国際ブランドのマークがあるお店やサービスで使えますが、個人の食料品購入等私用に使うと経理や会計の処理上望ましくなく、確定申告で税務署に提出する時に信頼性を失います。

場合によってカード会社の規約違反にもなり、利用停止や最悪強制退会となり今後そのカード会社ではクレジットカードを作れなくなるなどの可能性もあります。

その代わりに初期の利用限度額が高めで社員などに発行できる追加カードには制限がないものが多いです。

また、企業の業務を円滑にできるビジネス向けの優待やサービスが付き、個人用カードよりも特典が優れている傾向にあります。

3-2. 「法人カード」「コーポレートカード」「ビジネスカード」の違いはなんですか?

法人カードには「コーポレートカード」「ビジネスカード」など発行会社によって様々な呼び方があります。

発行会社ごとにサービスや呼び名が違う場合もありますが、基本的には業務上発生した支払いを経費扱いで支払えるクレジットカードのことをまとめて「法人カード」と呼んでいます。

ただ、細かく分類すると以下のように区分されていることが多いです。

  • 「コーポレートカード」:大企業向け法人カード
  • 「ビジネスカード」:中小企業向け法人カード

ただし、「コーポレートカード」「ビジネスカード」の使い分けは発行会社ごとに異なり、以下のような例外もあるので気をつけましょう。

JCBの区分方法

JCBでは『JCB法人カード』の他に大企業向けカードとして「コーポレートカード」「ビジネスカード」があります。

  • 『JCBコーポレートカード』:大規模企業向け一括振込型法人カードで、毎月のカード利用代金を一括で振り込むことができる法人カード
  • 『JCBビジネスカード』:大規模企業向け使用者支払型法人カードと言われており、カード利用代金がカードを利用した社員の個人口座から自動振替

楽天カードの区分方法

楽天カードにも『楽天ビジネスカード』と呼ばれる法人カードがありますが、このカードは中小企業向けの法人カードとされています。支払い者も引き落とし口座も法人です。

「法人カード」「コーポレートカード」「ビジネスカード」の違いまとめ

「法人カード」「コーポレートカード」「ビジネスカード」は発行会社ごとにサービスや呼び名が違う場合もありますが、基本的にはまとめて「法人カード」と呼んでいます。

なぜなら、JCBではビジネスカードは大企業向けカードの中の個人用カードという位置付けだったのに対し、楽天カードでは中小企業向けの法人カードという位置付けになっていることなどから名前が重要な意味を持っていないからです。

また、最近では法人カードは法人経営者だけではなく、個人事業主の方も利用できるクレジットカードを発行する会社もあり、発行会社ごとの違いは複雑になってきています。

3-3. 法人カードを導入するメリットはなんですか?

法人カードには以下のように4つのメリットがあります。

  • 経理事務の簡略化
  • キャッシュフローが良くなる
  • ポイントやマイルの優遇がある
  • カードの付帯サービスを使える

経理事務の簡略化

法人経費は法人カードを利用することで法人用口座から引き落とされるようになるので、個人利用との区分が明確になります。

また、立替金の清算などの処理がなくなるため、経理の仕事が効率的になります。

さらに、明細で経費の内訳を簡単に確認できるようになるので、経費の計上漏れがなくなります。

キャッシュフローが良くなる

企業経営をしているとどうしてもキャッシュフローが滞ってしまうことがあると思いますが、法人カードでの支払いは最大90日間の猶予があります。

そのため、法人用口座にある資金が増え、キャッシュフローが良くなります。

ポイントやマイルの優遇がある

カード会社によってはポイントやマイル還元のある法人カードを発行しています。

特に法人カードでは大きい金額の決済をすることも多く、想定以上にポイントやマイルが貯まります。

カードの付帯サービスを使える

法人カードには空港ラウンジが無料で使えるなどの付帯サービスがあるカードもあり、このサービスをカードの保有者全員が利用することができます。

3-4. 法人カードを導入するデメリットはなんですか?

法人カードには以下のように2つのデメリットがあります。

  • 社員が不正をしてしまう可能性がある
  • 年会費がかかる

社員が不正をしてしまう可能性がある

法人カードは基本的に各社員が普段から持っており、その利用は社員の倫理観に委ねられています。

社員が不正に利用したり、誤って利用してしまった場合でも法人口座から引き落とされてしまい、横領されやすいです。

もしカードを使用する社員が誤って利用してしまった場合は、きちんと報告するように伝えておく必要があります。

パーチェシングカードの導入で不正はある程度回避可能

業種・業態によりますが、特定の加盟店での取引しか利用できない「パーチェシングカード」を導入することで、社員の不正利用を回避できます。

物理カードが発行されず、部署名義でも発行可能、請求取りまとめによる支払先の一本化など規模の大きい企業には特にメリットが多い法人カードです。

年会費がかかる

法人カードは個人カードのように年会費無料のカードがほとんどなく、基本的に年会費がかかります。

ただ、年会費は経費として計上することができます。

この記事でご紹介したような年会費無料の法人カードもあるので、わずかでも定期的な出費が気になる方は上記のいずれかを選びましょう。

4. まとめ

年会費無料の法人カードについてご紹介しました。

法人カードは全部で100枚近くありますが、その中で年会費無料のカードは数えるほどしかありません。さらに、年会費無料の法人カードの中には利用できる場所が制限されていることもあります。

ただ、以下の3枚の年会費無料の法人カードはこれといったデメリットもなく、安心して導入できる法人カードです。

永年年会費無料ではないですが、初年度年会費無料の法人カードなら導入コストを抑えつつ、特典やサービスも優れているため、一考の価値があります(2年目以降の年会費は経費に計上できます)

初年度年会費無料の法人カードの中で、年会費やサービスの良さなどからおすすめできるのは以下の3枚です。

クレジットカードの審査に自信のない方は『Visaビジネスデビット』(個人事業主向け)または『Visaビジネスデビット』(法人向け)だと与信審査なしでショッピング限度額上限500万円、最大1%キャッシュバックを受けられます。

あなたの事業規模に合った年会費無料の法人カードを活用して、よりビジネスライフが快適で便利になることを願っています。