クレジットカードの会社選びで迷っていませんか。
クレジットカードは発行している会社によってもそれぞれ特色があります。そのため、持つカードを発行会社で決めるというのは有効な手段ですがクレジットカード会社も日本だけで100社以上あるので自力で調べるのは困難です。
そこでこの記事では大手カード会社に3社勤務した経験のある私が、クレジットカードの発行会社について以下の流れで紹介をしていきます。
この記事を読むことでクレジットカードの仕組みから、どのようなクレジットカード会社を選べば良いのかまで全てがわかります。
1. クレジットカードの発行会社の仕組み
現在、クレジットカードは9,000枚近く発行されており、その特色も様々です。
しかし、そのカードの特色を主に決定づけているのはそのカードの発行会社といっても過言ではありません。
この章ではそのクレジットカードの発行会社の仕組みについて紹介していきたいとも思います。
1-1. 発行会社と国際ブランドの違い
クレジットカードの発行会社の仕組みについて解説する前に、クレジットカードの発行会社と国際ブランドの違いについて解説したいと思います。
なぜなら、発行会社と国際ブランドは提携関係にあるものの全くの別物なのですが、それを知らない方も多いからです。
発行会社
発行会社というのはそのクレジットカードを発行している会社のことです。
例えば、「三井住友カード」や「三菱UFJニコス」がそれに該当します。
一般的にはカードの裏面に会社名の記載があります。
発行会社はサービス、サポート、利用者の管理など、クレジットカードに関する全ての業務を担当しています。
そのため、カードを紛失したり、限度額を上げたかったりなど、何かトラブルや要望がある場合、サポートデスクの電話番号も会社名とともに裏面に記載されているのでそちらに問い合わせましょう。
国際ブランド
国際ブランドは世界中でのお店での決済を可能にする機構のことです。以下の代表的な国際ブランドを7大国際ブランドと言います。
どんなに大手のクレジットカード会社でも自身で、利用者が不自由なく利用できるくらいの加盟店を開拓することは実質不可能です。そのため、国際ブランドと提携することで決済性を高めています。
一般的にほとんどのクレジットカードの表面には下記のようにいずれかの国際ブランドのロゴマークがついています。
よくお店の入り口やレジの前でこういったロゴを見かけることがあると思いますが、カードに記載された国際ブランドと同じマークがあれば、そのカードは利用可能です。
1-2. 国際ブランドによる違い
上記で説明したように、クレジットカードの発行会社だけではクレジットカードは利用ができず、国際ブランドと提携することで決済が可能になります。
提携する国際ブランドによって以下のような違いがあります。
ロゴ | 会員数 | 加盟店舗数 | シェア率 | ポイント | |
Mastercard | ![]() |
◎ | 国内◎・国外◎ | 2位 | 海外利用時の為替手数料が最安値になりやすい |
VISA | ![]() |
◎ | 国内◎・国外◎ | 1位 | 世界各地で高確率で使用可能・Apple Payの利用に制限あり |
JCB | ![]() |
○ | 国内◎・国外△ | 5位 | 日本国内シェアNo.1 |
AMERICAN EXPRESS | ![]() |
○ | 国内◎・国外○ | 4位 | ステータスの高い国際ブランド |
DinersClub | ![]() |
不明 | 国内◎・国外○ | 6位 | 「食」関連のサービス充実 |
銀聯(UnionPay) | ![]() |
◎ | 国内△・国外○ | 3位 | 中国でのシェアNo.1 |
DISCOVER | ![]() |
△ | 国内◎・国外○ | 7位 | アメリカ中心のブランドで、日本国内では作れない |
以上のように国際ブランドが違うと、主に利用可能地域が変わります。
基本的に日本国内のみの利用ならばJCBのカードが最も利用しやすく、海外でも利用する場合はVISAかMastercardがおすすめです。
しかし、その他のクレジットカードの特色を主に決めるのは、やはり発行会社になります。次章以降はクレジットカードの発行会社の違いについて説明していきます。
2. おすすめのクレジットカード発行会社10選
上述の通り、クレジットカードの特色を決めるのはカードの発行会社です。
この章ではクレジットカード会社について以下の流れで紹介していきます。
- 大手会社と準大手会社の違い
- おすすめ大手カード発行会社
- おすすめ準大手カード発行会社
この章を読むことでどの会社で発行しているカードが主に自分に合っているのかがわかります。
2-1. 大手会社と準大手会社の違い
クレジットカード会社は日本だけでも100社以上の会社が存在します。
まずは大手カード会社と準大手カード会社の違いについて説明します。
比較事項 | 大手カード会社 | 準大手カード会社 |
セキュリティ面 | ◎ | ○ |
電話サポート | ◎ | △〜◎ |
オンライン明細 | ◎ | ○ |
万が一の時の対応 | ◎ | △〜◎ |
年会費 | △〜◯ | △〜◎ |
ポイント還元率 | △〜◯ | △〜◎ |
上記のように大手カード会社も準大手カード会社も一長一短と言えます。
セキュリティや緊急時の対応などは大手カード会社の方だと安心感がありますが、普段の利用では準大手カード会社の方が満足感が得られます。
2-2. おすすめ大手カード発行会社5選
ここではおすすめの大手発行会社について紹介したいと思います。
大手というだけあって、CMなどで聞いたことのある会社も多いかと思います。
- ジェーシービー(JCB)
- 三井住友カード
- 三菱UFJニコス
- クレディセゾン
- 楽天カード
上記のカード会社はいずれも日本を代表する大手カード発行会社です。
アメックスことアメリカン・エキスプレスは業界を代表するカード会社です。ただし、日本での取扱高や会員数などの実績を公表していないため、他社と正確な比較ができないのでこの記事では紹介をしていません。
また、大手カード会社の中からカードを選ぶ際に迷った場合は世界中で使える『三井住友カード』がおすすめです。
以下にそれぞれの詳細を載せていきます。
株式会社ジェーシービー(JCB)
株式会社ジェーシービー(JCB)は日本唯一の国際ブランドとして世界的に知名度のあるJCBの管理や発行を行っている大手クレジットカード会社です。
JCBのカードは日本国内での加盟店は最も多く、非常に使いやすいですが海外ではアジア圏内や日本人観光客が多い地域、北米以外の地域では加盟店が少なく利用が難しいです。
また、JCBはディズニーリゾートとの提携に力を入れており、他のカード発行会社から発行されているカードではあり得ないようなディズニー関連のサービスを取り扱っています。
代表カード:『JCB一般カード』
『JCB一般カード』は日本で唯一の国際ブランドJCBが自社で発行するカードです。そのため、知名度も非常に高く日本で最も会員数の多いカードです。
このカードは初年度年会費無料ですが次年度以降は年会費1,250円(税抜)かかるJCBの一般カードです。また、ポイントの還元率は0.5%で国内・海外旅行保険も最大3,000万円まで付いています。
年会費無料のカードでもポイント還元率が1.0%以上のカードは多数あり、海外旅行保険も条件の良いカードは多数あります。そのため、このカードはゴールドカードなどのステップアップを狙ってる方以外はおすすめできません。
『JCB一般カード』公式ページ:
三井住友カード
三井住友VISAカードはテレビのCMなどでもおなじみのカードなので知ってる方も多いはずです。
三井住友カードの特徴としては日本におけるVISAカードの代名詞的な存在で、自社だけでなく様々な企業と提携して非常に多くのカードを発行しています。そのため、海外に行く方に特におすすめです。
また、銀行系のカードになるので一種のステータスとしてみることもできます。
代表カード:『三井住友カード』
『三井住友カード』はCMでおなじみの三井住友カードが発行するカードです。知名度も高く非常に人気です。
このカードは初年度年会費は無料ですが次年度以降は年会費が1,250円(税抜)かかります(条件付きで無料)
このカードも『JCB一般カード』同様、年会費無料カードでより条件の多いカードがあり、『三井住友カード ゴールド』のようなステータスカードを目指している方以外にはおすすめできません。
『三井住友カード』公式ページ:
三菱UFJニコス
三菱UFJニコスが管理や発行を行っているクレジットカードは、ニコスカード、DCカード、MUFGカードといった有名なカードばかりです。
このように多くの方が利用しているカードを複数発行している会社なので初めてカードを作る際などでも安心してカードを作れます。
代表カード:『VIASOカード』
『VIASOカード』は三菱UFJニコスが発行するカードで年会費無料の一般カードですが非常に保険内容の充実したカードです。
このカードはVIASO eショップを経由してネットショッピングで買い物をすることで通常のポイント付与に加えて1%〜10%程度のポイント付与が見込めます。
さらにインターネット上の不正利用に対して全額を補償してくれる保険も付帯していて安心してネットショッピングが楽しめます。
『VIASOカード』公式ページ:
クレディセゾン
株式会社クレディセゾンはセゾンカードやUCカードなどを管理、発行している会社です。ポイントの名称が永久不滅ポイントと個性的で、名前のとおり有効期限がありません。
また、申込から発行までのスピードも早いことが多く、いくつかのカードでは最短即日で受け取ることもできます。
ただし、ネットから申し込んでセゾンカウンターにて即日で受け取る場合はICチップなしカードの発行となるので注意してください(IC付カードが必要な場合は郵送となります)
出典:セゾンカード
代表カード:『セゾンカードインターナショナル』
『セゾンカードインターナショナル』は基本的なポイント還元率が0.5%で年会費永年無料のクレジットカードです。
西友・LIVINの対象日には請求時に5%OFFとなったり、「アメリカン・エキスプレス・コネクト」対象のお店やホテルなどで割引などの優待が受けられるので普段使いでもお得になりやすいです。
ポイントに有効期限のない永久不滅ポイントが貯まるので、自分のペースでゆっくり貯めて好きな時に交換できたり、海外での利用分は2倍になるなどのメリットもあります。
『セゾンカードインターナショナル』公式ページ:
楽天カード
ECサイトで大手の楽天のグループ会社である楽天カード株式会社が発行する『楽天カード』は1,500万枚以上発行されており、新興のカード会社ながら現在では大手カード発行会社の一角となりました。
『楽天カード』という名の通り、楽天市場でお得に使えるカードを発行しています。
代表カード:『楽天カード』
『楽天カード』は年会費無料カードの中でも良い条件の海外旅行保険が付いている貴重なカードです。海外旅行保険の内容は以下のようになっています。
利用条件 | 利用付帯 | 海外旅行代金の一部を支払うことで補償が受けられます。 |
死亡・後遺障害 | 2,000万円 | |
傷害治療 | 200万円 | |
疾病治療 | 200万円 | |
携行品損害 | 20万円 | ※免責(1事故)3,000円 |
賠償責任 | 2,000万円 | |
救援者費用 | 200万円 | 1年間の限度額 |
また、このカードには楽天が発行しているからこそ付帯できるお得なサービスが豊富にあります。
例えば、どこで使ってもポイント還元率1%で楽天市場ではよりお得に最大3%のポイント還元を受けることができ、マクドナルドやPRONTOなどの街中の加盟店で利用することで2%のポイントが還元されるので非常にお得です。
『楽天カード』公式ページ:
2-3. おすすめ準大手カード発行会社5選
ここではおすすめの準大手カード発行会社について紹介したいと思います。
主にサービスの良さを兼ね備えたカード発行会社が多いです。
- イオンクレジットサービス
- セディナ
- オリエントコーポレーション(オリコ)
- ビューカード
- エポスカード
準大手カード発行会社の中でどのカードを選ぶべきか迷った際は全国10,000店舗以上で優待を受けられて、条件の良い海外旅行保険が付き年会費も無料な『エポスカード』が最もおすすめです。
以下にそれぞれのカードの詳細を載せていきます。
イオンクレジットサービス
スーパーの大手イオンもグループ会社でカードを発行していますが、こちらも非常に多くの方が利用しているカードになります。
イオンでお得に利用できるカードを発行しており、主婦層の方に非常に人気です。
代表カード:『イオンカード』
『イオンカード』は年会費無料、ポイント還元率は0.5%のカードです。『イオンカード』と『イオンカードセレクト』からカードを選択することができます。
このカードにはイオンが発行しているからこそ付帯できる以下のような特典があるため、イオンで普段から買い物をする専業主婦の方にとっては非常にお得です。
- イオンでの利用でポイント還元率が毎日2倍の1%。10日はどこでも2倍の1%。
- 20日・30日(55歳以上は15日も)はイオン系列の店舗で会計から5%OFF。
『イオンカード』公式ホームページ:
セディナ
SMBCファイナンスサービス株式会社は、OMCカード、セントラルファイナンス、クオークといったカード会社が統合した会社です。
そのため、セディナカードやOMCカードなど様々なカードを持ちます。会社名はあまり知られていないかもしれませんが、三井住友フィナンシャルグループの1つなので安心して使えます。
セブン-イレブン、イオン、イトーヨーカードーなどでお得に使えるカードが多いです。
代表カード:『セディナカードクラシック』
『セディナカード クラシック』はセブン-イレブン、ダイエー、イオンでお得になる、年会費が1,000円(税抜)、ポイント還元率が0.5%のカードです。
セブン-イレブン、ダイエー、イオンでのカード利用でポイント還元率が普段の3倍の1.5%となる特典があるため、セブン-イレブン、ダイエー、イオンをよく利用する専業主婦の方におすすめです。
※本サイトの表記内容は2020年1月時点の内容になります。
正しい詳細に関してはSMBCファイナンスサービス株式会社の公式ページをご確認ください
『セディナカード クラシック』公式ホームページ:
オリエントコーポレーション
オリエントコーポレーションと書いたらわからない方もいるかもしれませんが、発行しているカードがオリコカードと言えばわかる方も多いのではないでしょうか。
この会社はみずほフィナンシャルグループが筆頭株主となっているので安心面も充実しており、さらにポイント面や電子マネーで特徴のあるカードを多く発行しているのでお得さを追求したい方にもおすすめです。
代表カード:『Orico Card THE POINT』
『Orico Card THE POINT』は年会費永年無料でポイント還元率が1%で入会後6ヶ月間はポイント加算率が2倍にアップし、ポイント還元率が2%たまります。
さらにオリコモールを経由することでネットショッピングで非常にお得でAmazonや楽天、Yahoo!などの大手通販サイトでは2%以上のポイント還元率になるお得なカードです。
以上のような特典のあるカードなのでネットショッピングの多い方におすすめのカードです。
『Orico Card THE POINT』公式ページ:
ビューカード
ビューカードという名前は関東以外に住んでいる方にはあまり馴染みがないでしょうが、JR東日本の子会社が発行している鉄道をお得に利用できるクレジットカードの名称です。
今では全国で利用可能になった交通系電子マネーSuicaをお得に利用できるカードで、オートチャージ機能はビューカード発行のカードでなければできないので、定期を始め電車利用が多い方にもおすすめです。
代表カード:『JRE CARD』
『JRE CARD』は初年度年会費無料、2年目以降も477円(税抜)と最も安い年会費負担で定期券機能が付いているビューカードです。
アトレやアトレヴィ・ペリエといった「JRE CARD優待店」の駅ビルを使う人はポイント還元率3.5%となり、Suicaへのチャージや定期券を購入時はポイント還元率が3倍の1.5%になります。
たまるポイントはJR東日本グループの新しいポイントであるJRE POINTで、有効期限が実質無期限で1ポイントからSuicaに交換ができるようになったなど、非常に使い勝手が良くなっているのも便利でおすすめできる理由の一つです。
『JRE CARD』公式ページ:
エポスカード
首都圏を中心にファッションビルなどの商業施設を経営している丸井グループの子会社の一つで、マルイでお得に利用できるカードを中心に色々な会社と提携してカードを発行しています。
会社の理念として「信用はお客さまに与えるものでなく、共につくるもの」という与信哲学があり、他社と違った与信ノウハウを利用して審査しているため断られる確率が業界平均の1/3と非常に低く作りやすいカードです。
代表カード:『エポスカード』
『エポスカード』は年会費無料カードの中で、マルイでの買い物がお得になるだけでなく、海外保険が付帯している数少ないカードです。海外旅行保険の内容は以下の通りです。
利用条件 | 自動付帯 | 持っているだけで補償が受けられます。 |
死亡・後遺障害 | 500万円 | |
傷害治療 | 200万円 | |
疾病治療 | 270万円 | |
携行品損害 | 20万円 | ※免責(1事故)3,000円 |
賠償責任 | 2,000万円 | |
救援者費用 | 100万円 | 1年間の限度額 |
また保険の他にもエポスカードならではのお得な優待が豊富にあります。
- 年に4回、マルイで10%の優待期間があります。
- 海外旅行保険で疾病治療保険が年会費無料カード最高額の270万円など実用的な内容
- 最短即日での発行が可能(先にネットで申し込んで審査に通ってから受け取りに行った方が無駄足しなくて済みます)
- ファミレス・カラオケ・映画など全国10,000店舗以上で割引やポイント優遇などの特典を受けられます
『エポスカード』公式ページ:
3. まとめ
現在、クレジットカードは9,000枚近く発行されており、その特色も様々です。
しかし、そのカードの特色を主に決定づけているのはそのカードの発行会社といっても過言ではありません。
大手カード会社と準大手カード会社の違いについては以下の通りです。
比較事項 | 大手カード会社 | 準大手カード会社 |
セキュリティ面 | ◎ | ○ |
電話サポート | ◎ | △〜◎ |
オンライン明細 | ◎ | ○ |
万が一の時の対応 | ◎ | △〜◎ |
年会費 | △〜◯ | △〜◎ |
ポイント還元率 | △〜◯ | △〜◎ |
上記のように大手カード会社も準大手カード会社も一長一短と言えます。
セキュリティや緊急時の対応などは大手カード会社の方だと安心感がありますが、普段の利用では準大手カード会社の方が満足感が得られます。
おすすめ大手カード発行会社
- ジェーシービー…代表カード:『JCB一般カード』
- 三井住友カード…代表カード:『三井住友カード』
- 三菱UFJニコス…代表カード:『VIASOカード』
- クレディセゾン…代表カード:『セゾンカードインターナショナル』
- 楽天カード…代表カード:『楽天カード』
おすすめ準大手カード発行会社
- イオンクレジットサービス…代表カード:『イオンカード』
- セディナ…代表カード:『セディナカードクラシック』
- オリエントコーポレーション…代表カード:『Orico Card THE POINT』
- ビューカード…代表カード:『JRE CARD』
- エポスカード…代表カード:『エポスカード』
あなたが優先する項目に合わせて発行会社の規模などもカード選びの判断に入れ、良いカードを使えることを祈っています。